1巻の話と全然つながらずに始まって、
延々と語られる傭兵たちの現実。
魅力的な傭兵たちの、過酷できわどい日常。
ものすごくよく勉強しているのは分かるのだが、
話の展開が、全く無し。(エピソードはいっぱいあるけど)
突然、番外編へきちゃった感じ。
でも、やっぱりこの先に期待してしまうんだなぁ。
読ませる力のあるファンタジーではある。
この先、何巻ぐらいまで続けるつもりか知らないが、
まずは物語を展開させて欲しいものだ。
シャリースはじめ、お髭の中年ダンディ、プレーボーイ、気の優しい巨漢、妻子持ち、ルーキーの少年と、傭兵団の主だったキャラクター描写に、戦闘や暗殺といった仕事で生まれるドラマは、どこか『ベルセルク』の「鷹の団」を思わせますが、殺伐とした雰囲気はありません。
表紙のイラストで目立つ褐色の肌をした人物の登場も含めて、今回は、女性には嬉しいシーンもあったりと、泣きのドラマも入って盛り上がります。抑えた感じのイラストも素晴らしく、先の展開が楽しみなシリーズです。
あとがきによれば。次回で一応完結し、シリーズとしてはまだ続くとのことです。
シャリースと隊員たちのやりとりも微笑ましい。
ただ、物語的に非常に盛り上がるピンチ等には、傭兵という職業上近づかない人たちがメインなので、戦争ものといっても戦術、戦略、心の機微等を期待しない方がいいかもしれません。
バンダルの新入りである訳ありの青年と、彼を人間らしくしていく白狼が可愛らしいの一言。
前作の空気が合うなぁ、と思われた方はぜひどうぞ。