Sings Great American Songwrite
価格: ¥1,047
1994年に74歳で亡くなったカーメン・マクレエは、特にバラードのうまさに定評があった。カーメンのバラードの魅力を知るには、やはり50年代のデッカ録音が欠かせない。具体的には『ブック・オブ・バラーズ』、『アフター・グロウ』、『バイ・スペシャル・リクエスト』、『ブルー・ムーン』、『トーチ』といったアルバムがそれ。本作はそれらのデッカ録音から、20世紀を代表する偉大なアメリカのソングライターたち、つまりジョージ・ガーシュウィン、コール・ポーター、ジェローム・カーン、ハロルド・アーレン、リチャード・ロジャース&ロレンツ・ハートらの有名曲をピックアップした20曲入りなので、まさしくカーメンのバラードの神髄に迫ることができる内容だ。
カーメンのバラードは知的でコントロールの妙が最高。抜群のテクニシャンでありながら、けっしてテクニックが前面に出るようなことはなく、常に情感豊かに歌っていて、聴く者の心にストレートに入ってくる。バラードとはこういうふうに歌うのだというお手本のような歌声だ。(市川正二)