現象学の最重要書
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20世紀はじめにおいて、のちの世代や諸学問にこの書ほど重要な影響を与えた本はない。また、フッサールの代表作を一つ挙げろと言われれば、必然的なほど、まずこの『純粋現象学と超越論的哲学のための諸構想(イデーン)1』が重要になる。また、ⅡとⅢは、フッサール生前には刊行されず、草稿が編集されたものだが、そこにおいて、すでにフッサール以後の現象学者が取り組むべき課題もある。現代思想の興隆という過度期を終えて、現象学を学ぶ者はふたたびフッサールの残した遺産を研究するべきだといえる。