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変わる家族 変わる食卓 - 真実に破壊されるマーケティング常識 (中公文庫)

価格: ¥967
カテゴリ: 文庫
ブランド: 中央公論新社
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もう料理・食事は、不要である ★★★★★
20年後に再び本書を読むと、「当時はこの程度で、日本人の食生活が変化したと驚かれていたのか」と懐かしく感じるだろう。
それほど日本人の食生活は大きく変化しており、本書の記録としての価値は高い。
著者も言うように、倫理的な高みに立って本書の事例を日本人の劣化や現代人の怠惰だと批判したり、安易な世代論と結びつけるのは避けるべきだろう。
それは電卓がソロバンに変わったことを指して「ソロバンを学ばない現代人は怠惰だ」と難じるのと同じく時代錯誤の議論でしかないし、
技術の進歩が倫理を変えるという当たり前の事実を無視した粗雑な議論しか生まないからだ。
本書が伝えていることは、「日本人の食生活が劣化した」のではなく、「食事」がもはや家族にとって重要なイベントではなくなったということにほかならない。
電卓で計算ができればソロバンが不要になるように、空腹が満たせるなら、料理や食事は不要なのである。
それは男女平等、女性の家事労働からの解放をうたった戦後日本の発展の帰結であり、何ら驚くことでも否定することでもない。
調理家電が進化を遂げ、スーパーには冷凍食品や惣菜が大量に並び、コンビニ・宅配・弁当屋が林立し、共働き家族が当たり前となった高度文明社会で、
「母親の手作りの料理を家族一緒に食べるべき」などという議論はもはや意味を失っているのだと旧世代の人間は気づく必要がある。
高い有機野菜を食べたり美味しいお店を食べ歩くのは、茶道や歌舞伎と同じように一部の優雅な人々の「趣味」でしかない。生活は趣味とは別のところにある。
最近耳にする「食育」というお題目はもちろん美しいが、「安全で美味しい、地元の食材をつかった食事を通じて教育する」などと語る人々は、
「昔にかえれ」ではなく、本書が報告する現実を受け入れるところから食の教育を再構築する覚悟が必要なのではないか。
客観を偽った主観的著 ★☆☆☆☆
そんなに他人の家庭を嘲笑うのなら、著者の家庭の三度三度の完璧なお食事と、お節料理とクリスマス料理も拝見したいものです。息子・娘も伝統を受け継いだ素晴らしい食事を自分で作れることでしょうから、息子さん宅のご家庭の食事も写真におさめて発売されたらいかがでしょう。「変わる家族変わる食卓の著者の、変わらない食卓〜これが日本の理想・あるべき家庭だ!〜」ほら、売れる本の構想提供しちゃいました、期待して待っています。

鋭い視点で指摘 ★★★★☆
学校のレポートの参考文献に使用しました。
身近にいるごく普通の主婦の買い物感覚、料理を作るための基準
生活習慣、購買心理、子育て事情などのレポートが盛りだくさんです。
何が普通で何が正しいのか、時代とともに変化していることが
鋭い視点で指摘され、そこにどんな問題点があるのかわかって
きたように思います。
自然と乖離している、という意味がわかるような気がします。
もっと調査をさかのぼってしてほしい ★★★☆☆
現在はこのような食生活もあるのだという警鐘には役立つと思う。しかし、そもそも日本というのは米食で、明治・大正それ以前であっても「庶民」の食事は混ぜ物(麦、野菜等)をしたご飯に漬物、汁物、豪勢な日は魚が付くという程度であった。余程の金持ちでなければ米だけの飯などは食べられないし、おかずは少しで主食は沢山というのが本来のスタイルだったのである。それゆえ、脚気などの病気も多かったことも当時の平均的な食生活を物語っている。小作人が多くいた時代、それが普通の食事だったのである。金持ちの家では使用人が作るのが当然、農家では主婦も野良仕事が第一の仕事であり、手作りが当然であり、品数も多くバランス良くなどという考えは全くなかったのである。とにかく腹を一杯にするという目的だった食事が主であった時代であり現在のように、栄養のバランスよく色取りよくなどという食事は戦後に入ってからのこと。しかも、それが実行できるのは都会に住む金持ちのごく一部の主婦であるし、まさに手作り神話である。やがて経済も流通も落ち着き、インスタントも何もなかったほんの一瞬の時代だけに「手作り」が存在していたのであり、また、コロッケや揚げ物等は専門店で買うのが普通の時代であり、それと比べるのはどうかと思う。添加物などの危険性をとなえるのであればわかるが、食生活の時代の流れというのを無視している感もある。江戸時代からの庶民の食事から昭和までの変化の推移で比べなければ意味はないと思う。
食品メーカー・飲食業などのマーケティング担当者向け参考書 ★★★☆☆
標本数が極めて少ない(111世帯)のが、統計的に
どのような有意性を持つのか、気になりますし、
そもそも「忙しくて食事が作れない」と言いながら
このようなアンケートに協力する時間はある、という
人々の例だと感じました。
広告代理店から見て、「このツボを押さえたら、この
種の、宣伝に踊らせ易い人たちに商品やサービスを
容易に売りつける事が可能」という観点から見て、
非常に役立つ本です。

これを読んで「日本の食生活は乱れている」と驚いたり
嘆いたりするよりも、「食育」などと言うキャッチ
フレーズをお役人さんたちと考えた広告代理店主導の
世論形成のまやかしや、昨今、日本を覆う、マスコミが
喧伝する、いわゆる「格差社会」の頂点に位置する業界の
欺瞞に気づくべきです。

必読書、、。