ページ数などをみていただければある程度想像できると思いますが、確かにこの一冊だけでは専門家が必要な解剖学や運動学の知識としては不十分だと思います.より詳しい専門書も必要になると思います.
しかし何らかの資格を有する専門家の方以外のスポーツ愛好家や選手、専門家であってもこの分野の勉強が苦手な方や学生の方にはお薦めします.理解しやすいですし、何よりスポーツの動作を考慮したトレーニングを考える上で必要な知識が書かれていて、参考になると思います.
よくスポーツ・トレーニングの本と称してウェイト器具を利用したレジスタンス・トレーニングの方法しか書かれていない、あまり個別性や特異性の原則を活かせないような本をみかけることがありますが、この本はそのようなものとは異なり、動きを考慮したスポーツのためのトレーニングを考える上で大きなヒントを与えてくれると思います.評価は星4つですが、知識が豊富な専門家以外の方であれば入門書としては星5つでもよいと思われます.トレーニング指導に関わる方にはぜひお薦めします.逆に言えばこのような知識は指導者には知っておいてほしいと思います.