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ゴシップ的日本語論 (文春文庫)

価格: ¥620
カテゴリ: 文庫
ブランド: 文藝春秋
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現代最高の「小説家=評論家=エッセイスト」の最新アンソロジー ★★★★★
 本書に収められた評論・対談は丸谷の(『文章読本』『日本語のために』などの)
一連の日本語論や「丸谷モダニズム文学論」である『闊歩する漱石』、小説最新作
『輝く日の宮』などの後日譚的な性格が強く、丸谷の愛読者にすれば(一見すると)
新鮮味に欠けるかも知れないが(瀬戸内寂聴との対談は『輝く日の宮』を再読したくなる
ような刺激的なものではあるが)、丸谷本人ではなく編集者が抜粋、かつ構成している
だけに丸谷の日本文化論を(他の著作とはまったく別の)違った視点から読むような趣が
あり、決して退屈な本ではない。『思考のレッスン』が丸谷の「総合ガイド」だとすれば
本書はさしずめ「最新ガイド」と言ったところだろうか。
語る丸谷才一 ★★★★★
講演、挨拶、対談…いずれも書かれたものではない。それが一番の特徴である。文字によることなく、話されたものなので、わかりやすい文章であり、いつも以上に気楽に読めるが、含むものは非常に深い内容を持っている。。

まず、著者自身があとがきに記したとおり、日本語文化の現状を分析した「憂国の論」である。文部省(現、文部科学省)批判あり、テレビや携帯電話普及の影響に対する危機感ありで、かなり刺激的である。

他には、レトリックなどの技法や文学史の分析など、著者の博学ぶりが遺憾なく発揮されているし、『輝く日の宮』や歌舞伎、現代哲学などについての対談・座談会はいずれも楽しく、内容は豊富である。
できればうんと若い人にも読んでもらいたい。