まず、著者自身があとがきに記したとおり、日本語文化の現状を分析した「憂国の論」である。文部省(現、文部科学省)批判あり、テレビや携帯電話普及の影響に対する危機感ありで、かなり刺激的である。
他には、レトリックなどの技法や文学史の分析など、著者の博学ぶりが遺憾なく発揮されているし、『輝く日の宮』や歌舞伎、現代哲学などについての対談・座談会はいずれも楽しく、内容は豊富である。できればうんと若い人にも読んでもらいたい。