Live at the Fillmore East (W/Dvd)
価格: ¥1,574
ニール・ヤング&クレイジー・ホースのファンは長年に渡り、最初のリーダーだったダニー・ウィットンのいるクレイジー・ホースのライヴを公式に聴けるチャンスを待っていた。ウィットンはずば抜けた才能を持っていたギタリストだったが、1972年後半にヘロインの過剰摂取で死亡、『Tonight's the Night』は彼を悼んで作られたものだ。流行に敏感なファンたちは少なくとも12年はこのセットリストを待っていたことになる。元々は3枚組のアウトテイク集『Decade』の最後に収録されることになっていたからだ。ありがたいことに、悪名高いフィルモア・イーストからの録音状態のよいライヴ・セットは待った甲斐があった。焼けつくような長いテイクの「Down by the River」、「Winterlong」、「Cowgirl in the Sand」が収録され、どの曲も恐ろしくすばらしいギターのインタープレイに駆り立てられていて、つい何度も巻き戻して聴いてしまう。実際、これはリチャード・ロイドとトム・ヴァーレインがバンドのテレヴィジョンでおこなったかけ合いを予見しているように思える。ただ柔らかなエッジが足りないだけだ。だが、世界はヤングが元祖パンクだという議論をもはや必要としていない。世界が求めているのはニールのアーカイヴから少なくとも12枚のリリースだ! そしてありがたいことに、この最高のライヴ・アルバムで水門が本当に開かれ、ディランの『Bootleg』シリーズのようにさらなるアルバムが登場することになっている。このアルバムは「Wondering」だけでも価値がある。ずっと後になってニールの妙な80年代のロカビリー時代になるまで、公式にはレコーディングされていなかった曲だ。--Mike McGonigal