「マイ国家」に栄光あれ!!!
★★★★★
他の皆さん同様、私も表題作「マイ国家」が大好きです。
他にも「ねむりウサギ」(有名な童話を見事にアレンジ)
「特賞の男」(秘められた真実にこめられた皮肉が強烈!)・「国家機密」(スパイ映画の世界観を
見事にアレンジした傑作)・「友情の杯」(人生について考えさせられます)など
傑作ぞろいとなっておりますが
個人的に一番印象深いのは「いいわけ幸兵衛」です。
植木等さんの傑作映画「無責任シリーズ」を思わせる愉快痛快な一編です。
星作品の中でも精鋭がそろっているこの短編集
是非ご覧あれ。
表題作が素晴らしい
★★★★★
本書の作品の中では、表題作『マイ国家』が1番素晴らしいと思う。自分の家を独立国家「マイ国」だと主張する男の話。実際にそんなことを言う人がいたら「変なヤツだ」と思われるのかもしれないけど、多くの人に認められた日本やアメリカなどの国だって、もともとは一部の人間が「これは国家だ」と主張していただけで、本質的に「マイ国」と変わらないんじゃないか、そんなことを考えさせられた。
あと、『特殊な症状』『ねむりウサギ』も気に入った。
老若男女を問わず大いに楽しむことができると思います
★★★★★
目次
特賞の男
うるさい相手
儀式
死にたがる男
いいわけ幸兵衛
語らい
調整
夜の嵐
刑事と称する男
安全な味
ちがい
応接室
特殊な症状
ねむりウサギ
趣味
子分たち
秘密の産物
商品
女と金と美
国家機密
友情の杯
逃げる男
雪の女
首輪
宿命
思わぬ効果
ひそかなたのしみ
ガラスの花
新鮮さの薬
服を着たゾウ
マイ国家
解説 常盤新平
カット ヒサクニヒコ
本書は1968年7月に新潮社より刊行されたものの文庫版です。
1000編を越すSF短編小説を残し、ショートショートの神様と呼ばれた星新一さんの作品31編を収録。
短編なので読みやすく、それでいてしっかりオチがついていて、時には自分の考えの及ばないような意外性のある結末に感心し、自分とは違った新鮮な考えに触れ、ものの見方や考え方が広がったような気がします。また、星さんの作品は後世多くの人々に読んでもらえるようにと、具体的な地名や人名といった固有名詞をなるべく登場させないことで、通俗性を出来る限りなくし、読みやすく分かりやすい文章で書かれてます。そのため老若男女を問わず大いに楽しむことができると思います。
ショート ショート
★★★★☆
昭和51年発行、285ページで31編からなる作品です。筒井康隆と比べられる事が多い筆者。この「マイ国家」もやはりSFチックで、いつも通りの調子です。
この中でやはり一番を選ぶならタイトル作です。みなさん書いてるので内容にはあまり触れません。あとは「特殊な症状」などが好きです。
「特殊な症状」 どちらも相手のことを精神異常だと思っている夫婦が医者に別々に来訪する。その衝撃の理由とは…と言う話です。
とにかくすべての作品がさらっと読め、星ワールドに深く触れられる作品。おすすめです。
マイ国家万歳。
★★★★☆
星新一の作品はいくつ読んだかわからないぐらい読んだが、中でもこの本の表題作のマイ国家は忘れられない傑作。
自分の家を独立国として、宣言し、アレコレする話。国家という巨大規模のものをひとつの家という身近なものにし、読み手に分かりやすく提示。さらに、そのシステムをもわかりやすくし、現在の国家体制を痛烈に批判すたこの小説。うーん、傑作。