短い文章の中に宇宙の如き深みがある。
★★★★★
私は「きまぐれロボット」で星新一先生のことを知って以来
暇さえあれば先生のショートショートを読むようになりました。
先生のおかげで、私の心の世界が広がったように思えます。
本作「盗賊会社」に収録されている作品内で私が特にお気に入りなのは
ぼろ屋の住人(70年代の作品でありながら現代を感じさせるものがある)
あわれな星 (冷戦構造に通じるものあり)
あすは休日 (どんでん返しが素晴らしい!!!)
盗賊会社 (憎めない泥棒チームを描いた傑作)
声の用途 (悪の絆と引力を感じました)
あるエリートたち (文化・芸術論の要素あり)
無料の電話機 (現代を先読みしたかのような傑作、語り口も面白い)
短い文章の中に秘められた小宇宙をご堪能ください。
星作品の中でも、特に……
★★★★★
本書『盗賊会社』は、星作品の中でも特に一編一編が短い。
一作品が4~5ページほどしかない。
ほんの数分で読み終わってしまう作品が、こんなに面白いと思えるのが星作品。
30編以上もあるから、お買い得と言えばお買い得。
個人的に、星作品のベスト5に入る作品です。
盗賊会社
★★★★★
泥棒そのものが仕事の盗賊会社。そこに勤めているある社員が転職を考えるようになった。成功率は100%で、逮捕されて有罪になる心配もなく、月末になると給料ももらえるのにいったいなぜだろうか。著者自身が書いた年譜もある。