吹き飛ばされた兵隊の足(「誰の足だかもわからない脚、青い木綿の洋ズボンに黒い足袋をはいている」)、食べ物に群がる蝿、茹であずきが十粒ほど泳いでいるだけのぜんざい。体で感じたこと、見たことが素直に書かれています。こんなに素直に戦場を描いた人が、他にいるでしょうか。
彼女の日本の兵隊礼賛、中国人・中国兵への蔑視は、現代の人間からみればイデオロギーに毒されているように見える。でも、それが当時精一杯生きている女性にとってのリアリティであったのでしょう。
戦争について考えるには、必読の一冊です!