クマさんの徒然読書日記
★★★☆☆
土佐のマグロ漁船にコック長として1770日に渡って乗船し取材しています。マグロを求めて世界中を航海し、その中での個性的な乗組員達、閉鎖された空間での苦悩と孤独、命がけの水揚げ作業。その他マグロ漁にまつわる世界的な問題など取り上げられています。★独特の土佐弁で話す乗組員達の粗野で乱暴な一面もありつつ、フッと見せる孤独や寂しさといった横顔などや、コック長を務めていただけに船内で食べられていた賄いの数々・・頭から尻尾まで余すところ無く紹介されるマグロ料理、サメやマンボウなどの珍味などモ~たまりませんでした。漁師さんたちはマグロをマヨネーズと醤油で食べるんですね!!今度試してみます。第七回小学館ノンフィクション大賞受賞作品です。
つゆの書店喫茶
★★★★☆
海の男たちの優しさ、強さを、三度の航海を経験した遠洋漁船の元コック長が躍動感あふれる筆致で描く。第7回小学館ノンフィクション大賞受賞作品。なかなか遠洋漁業の実際を読める本はないです。映画のパーフェクトストームを思い出してしまいました。
ひろぽん堂
★★★★★
これは面白い。というか今日までこの本に気づかない自分のアンテナがじれったいです。面白南極料理人もそうですが、今後密閉された空間が流行る予感あり。
最終的に人とうまくやっていけるのかはこういう環境に置かれると一目瞭然ですね。試されるのはコワイ。
この船の航海は並じゃなく長いです。足掛け4年。こんなマグロ船は後にも先にももうないでしょう。その間ひたすら賄いのコックさんとして働いたアウェイの著者に感心します。航海は20年位前の事ですが、現在のマグロ事情の伏線と言える問題点はすでに提示されていたのだなと、少し寒いような思いです。
しかしこの人凄いなぁ…
晴遊雨読書店
★★★★☆
漁業とは、無関係の仕事をしていた著者が、コック長として一七七〇日まぐろ船に乗り込んだ記録である。マグロを巡る男達の攻防、陸とは違う、死と紙一重である遠洋漁船の生活をリアルに描いていた第七回小学館ノンフィクション大賞受賞作品。航海記で、有名な作品と言えば「どくとるマンボウ航海記」ですがそれより、より船員に近い視点で書かれていると思います。「どくとるマンボウ航海記」と、どう違うか?どこが似ているか?読み比べてみるのもいいかもしれません。著者は、三度の航海を終えた後に、陸に上がり「炊屋」というマグロ料理屋(居酒屋)を開いたのですが、本書を読んだ後に、実際に行って見ました。小さい店ですが、マグロの目玉煮、マグロの胃袋炒め、マグロの刺身が、500円程度の安い値段で、食べられます。なんか、店の回し者みたいですね・・・でも、美味かったです。マグロ料理を食べながら、店の出来た理由が書かれている本書の事を思い楽しい時間を過ごしました。