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レパントの海戦 (新潮文庫)

価格: ¥500
カテゴリ: 文庫
ブランド: 新潮社
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オスマンの膨張を防ぎきった一大海戦 ★★★★☆
 コンスタンティノープルの陥落、ロードス島攻防記とひたすら押されてきたキリスト教国側が、ようやく乾坤一擲の勝利を収めたレパントの海戦を描く、3部作完結編。
 本当にまとまりのないキリスト教国家がほんの一瞬だけ団結した結果の勝利の過程を手に汗握りながら一気に読んでしまった。
 面白い。そして、キリスト教国家群になぜか嫌悪感、いらだちといったものを感じてしまうのであった。
歴史の教科書ですか? ★★☆☆☆
歴史としての分析は相変わらず素晴らしいです。

しかし、読み物として何を読者に見せたかったのか、
読み終えてからしばらく考えましたが、私にはなにも残りませんでした。
冒頭でバルバリーゴ氏ととある女性の男と女の物語があったにもかかわらず、
そこの心情がまったく描かれていないことで、人の存在感が消えうせてしまっている・・・
部屋でろうそく灯り一つで来るかどうか分からない待つバルバリーゴは何を考えたのか?
恋愛のいちばん面白い「待つ」部分を素通りしてしまっては、16世紀のヴェネツィア人の男が生きてこない。
鍵を渡した、男は待った、女が来た、男は抱いた・・これでは少女漫画の設定と変わらず、
これにより、物語は一気に色彩感がなくなり、人間の存在感は虚無となり、
まるで歴史の教科書を読んでいるようでした。
地中海の落日 ★★★★☆
「地中海戦記」三部作の完結編。レパントはギリシャ南部の都市で、この海戦は「コンスタンティノープルの陥落」の120年後に行なわれた。地中海が歴史の中心であり続けた長い時代の悼尾を飾った戦闘であり、ガレー船が海戦の主役を務めた最後の大海戦ともなった。この海戦のキリスト教側の総督はヴェネツィア、ジェノヴァ等の海運国の海将だったが、トルコ側の総督は雇われ海賊だったという話は、陸軍主体のトルコの事情を如実に示していて面白い。

海戦を挟んで、著者の自家薬籠中のヴェネツィアの政治家、市民の姿が精緻に描かれる。この中に、「ドン・キホーテ」の作者セルバンテスも本海戦に参加していた等と言う挿話も入っており興味深い。特に外交交渉によって、講和あるいは戦闘に入る様子が詳細に描かれ、物語に引き込まれる。

そして戦闘シーンである。前2作同様軍船の様子等が精密に描かれており、著者の資料研究ぶりが窺がえる。ただし、戦闘自身は5時間で終ってしまったので、物語に起伏を付けるため前述のような海戦前後の外交の部分を精緻に描写しているのであろう。

海戦の結果はキリスト教側の勝利に終ったが、戦闘の痛手のためヴェネツィア共和国は緩やかに衰退して行き、代って大陸型の近代国家が歴史の主導権を握るようになっていった。(ローマ贔屓の)著者は、落日のヴェネツィア共和国の最後の輝きを本作で描きたかったのだと思う。歴史の転換点となった地中海大海戦を鮮やかに描き上げた秀作。
世界史上の転機の海戦をドラマチックに描く ★★★★★
 レパントの海戦は、大帝国オスマントルコの衰退、地中海の制海権喪失の転機をつくった世界史上の一大事件だったのですが、その実情は、薄氷の勝利だった...。

 海戦の直前まで仲間割れで味方同士で兵士の殺し合いがあるなどなかなかオスマントルコを迎え撃つ体制が整わないスペイン、ヴェネチアの連合艦隊。若き司令官の熱意による勝利の経過を時間軸を設定してドキュメント風かつドラマチックに描きます。

 最後までなぜか手に汗握ってしまってはらはらしながら読んでいて気付いたら読み終わっていたという感じでした。塩野さんの筆運びで、海戦を真近で見ていて勝利してほっとしたような一船員のような読了感でした。

地中海世界の時代が… ★★★★★
長く続いた地中海世界、或いは地中海に展開した、ヴェネツィアなどのイタリア諸都市の隆盛の時代は、16世紀半ばに翳りを見せていた。地中海の制覇を目論むオスマン帝国は、西欧連合艦隊と激突する。
文明が交代する時期の歴史絵巻がここに完結する…
『コンスタンティノープルの陥落』、『ロードス島攻防記』と併せて愉しみたい!!