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ロードス島攻防記 (新潮文庫)

価格: ¥460
カテゴリ: 文庫
ブランド: 新潮社
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騎士vs兵士 ★★★★☆
アレクラスト大陸の遥か南・・・ではなく、本書はエーゲ海はロードス島、1522年8月始めより同年12月末まで戦われた聖ヨハネ修道騎士団とオスマン帝国との攻防戦が描かれています。著者の常のように、地中海世界大の視点と個性の違う3人の騎士の視点を縦横に行き来し、世界史の流れと籠城する騎士達の心の動きが躍動的な筆致で描写されており、良書であります。
しかし、私は著者に「ローマ人の物語」で初めて触れたクチなので、本書の体裁には多少戸惑いました。全体はあくまで歴史著述として書かれているにも拘らず、時たま挿入される小説的な文章。それでいて説明のための不自然に長い台詞があったりで、何のためにこのようなノンフィクションと小説の混合形態をとっているのか、よくわからないところがあります。また、あまり読みやすいとは言えない、長い形容詞節を多用する著者の文体はこの時代から健在であり、比喩表現に引っかかる重複があったりできれいではありません。しかし、著者は名文家ではありませんが、その文章には不思議な力が宿っており、読み進めるうちにどんどんと引き込まれ、不覚ながらその物語に胸を打たれてしまいます。最終局面である、オスマン帝国の猛攻に次ぐ猛攻からフィリップ・ド・リラダン騎士団総長とスレイマン一世皇帝との会見までのくだりは一気に読み進め、心地よい余韻に浸りました。
最後に、十字軍時代以降の聖ヨハネ修道騎士団の歴史は日本語での資料が限られており、本書は貴重な文献です。ですが、上記のように小説との境目が曖昧な記述であるため、参考文献の明記がほぼ絶無であり、その後の読書案内に何一つ寄与しないのが極めて残念でなりません。                                                   
一方的に聖ヨハネ騎士団に肩入れしたくなるほどの名小説 ★★★★★
 ビザンチン帝国を滅亡させ、北アフリカも手中に収めたオスマン帝国の喉元に刺さるトゲ。地政学的にエーゲ海の制海権を脅かす島ロードス。
 人海戦術で迫り来る敵に対して少数、本当に少数で籠城戦を続け、堂々と退却する聖ヨハネ騎士団を描いた名作。
 統一性や効率性に優れたトルコに対して、全くといっていいほどだらしない当時の西欧に歯ぎしりしてしまう。作者の思い入れが乗り移ってしまった。
文句のつけようがない名作 ★★★★★
すばらしい作品です。自分もヨハネ騎士団の一人になったような気分がして感動しました。
いまの日本に活かせる話 ★★★★☆
単なる古代の話ではなく、きちんといまの日本にも適応できる中身となっているのがいい。
歴史ロマンというのは、ともすると昔話になりがちだが、さすが塩野女史。
たとえば本書には、古代のヴェネチアは海洋都市として、周囲の国に気遣いながら、うまく中立を保ちつつ、自国を繁栄させていっている、とある。
翻って日本は?? 戦後は完全にアジアからエクセプトされているが、これではどうしようもない。ヴェネチアを見習うべし。
個人を前面に出した地中海戦記中の異色作 ★★★★☆
「地中海戦記」三部作の第2段。ロードス島は現在、地中海の観光名所になっている美しい島で、私は会社と自宅の双方のPCに壁紙(候補)として幾つか入れている程である。白が印象的な島だ。三部作の他の2作同様、キリスト教軍とトルコ軍の戦闘が描かれるのだが、私は様々な意味で他の2作とは毛色が異なる作品と感じた。

作者の城砦と戦闘模様の精緻な描写とその裏にある綿密な調査は相変わらずなのだが、防御側の城壁、塹壕等の作り方等が、建築技師マルティネンゴを主体に描かれる等、個人を前面に押し出した形で描かれているのが特徴である。他の作品では、登場人物がともすると歴史絵巻中の1ピースの形で描かれるのとは大違いだ。トルコのスルタン、スレイマンも単なる異教の我儘な暴君ではなく精悍な指揮官として描かれる。

そして、ロードス島を守る聖ヨハネ騎士団である。三部作を通してキリスト教vsイスラム教の戦いが描かれるのだが、本作ほど宗教面を強調した作品は他にない。騎士団間の軋轢等も描かれるのだが、印象的なのは騎士アントニオとオルシーニの関係を(精神的)ホモセクシャルとして美しく描いている点だ。オルシーニに殉死するギリシャ女も印象的だ。登場人物間の恋愛感情をここまで強調した作品も他にはない。

敗れ去った騎士団は難民となって放浪する。驚いたのは、騎士団がその後も存続を続け、現在の赤十字組織に繋がっている事だ。地中海の海戦を通じて、ローマ諸国を初めとするヨーロッパの歴史的的変遷を描いた三部作中で、個人を前面に押し出した異色作。
於射手紅物屋本舗 ★★★☆☆
これは持っていると記憶しておりますが……。何しろ昔買ったので筋忘れてしまいました。ごめんなさーい。