作者の、奇をてらわない、実直な設計思想が貫かれたアンプが並んでいます。
写真を見ているだけでもワクワクしてきます。
回路形式のバリエーションに富んでいるので、
自分でアンプを設計できるようになった、中級者に特にお勧めです。
いろいろなアイデアがインスパイアされることでしょう。

現在では、信頼できる著者は、長さんと森川忠勇さんくらいしかいないのが、悲しいところです。
MJ誌でも、もっと活躍して欲しい著者です。

確かに解りやすく解説されていて実際にアンプを製作できそうな構成にはなっているが、細かい部分の説明や何故その値になったのか説明が不十分。
回路図上の数値や部品表などの値に明らかな間違いや誤植が散見されるため、真空管の動作と実際の設計手法を理解していない初心者～初級者にはかなり厳しい。

使用部品の中に廃業してしまったメーカーのパーツが多いため実際に作るには代替品を探すのに苦労しそうである。
自作加工に当たっては格好が良くて加工しやすいシャシーを選んであり、非常に親切に思える。

実際に5881/6L6GC-PPアンプ（イコライザ部を除く）を代替部品で制作してみたが、基本設計の良さか非常に満足のいく音質となり、費用もリーズナブルで私の定番アンプになった。

真空管アンプの製作に必要なノウハウが詰まった一冊です。真空管アンプをこれから作る方はぜひ読まれることをお勧めします。