各トラックの基本的な仕上げ方はいつもどおりだ。キャッチーなイントロから軽快なグルーヴへと移り、そこにボッティが入って、ブルージーで澄みきったフレーズをサウンドにそっと塗りこめるのだ。ボッティは常にすてきなトランペットを聴かせてくれる。かすかに感情をほとばしらせる「Mr. Wah」は控え目ながら味わい深く、ボッティがとびきりエレガントなプレイヤーであることを思い出させてくる。それでいながら、いつだってリスナーにもっと聴きたいと思わせるのだ。
この2作目のソロアルバムは、悲劇的なラブ・サスペンス『Caught』の大ヒットした映画音楽を完成させたのちに制作されている。映画で用いられ本作にも収録されたジョンサン・ブルックの歌う「Forgiven」は、この映画のベストトラックとは言いがたいが、“すてきな”バラードであることにまちがいない。ボッティのもっと物静かで情熱的な面をお望みのリスナーには、サントラ盤『Caught』を手に取ることをおすすめする。(Yngvil V.G., Amazon.co.uk)