そして今、デビュー作からまる6年を経て、前作とまったく異なるアプローチにもかかわらず、あらゆる点で前作に負けず劣らず鮮烈なこの2作目を引っ下げて戻ってきた。このプロデューサーは、またしてもサンプリングを限界まで押し進めている。が、今作では近頃のダンス・ミュージックではめったにお目にかかれない、これまで以上に奥深くて貪欲で、荒々しいスピリットを持ちこんでいる。アルバム全体を通じて、80年代のすばらしいヴァイブレーション(特に「Monosylabik」「You Can't Go Home Again」といったトラック)とBボーイ・カルチャーへの予想どおりの進出(轟音を轟かせる重厚な「Treach Battle Break」とファンキーな「Mashin' on the Motorway」を聴けばわかる)を見せつけてくれる。本作はまちがいなくシャドウのサウンドを聴かせるが、『Endtroducing』の続編とは言えない。けれども想像力豊かな聴き応えのある2作目であり、ユーモアと深い知識と音楽的な理解にあふれている。(Paul Sullivan, Amazon.com)