HR領域で働く人にぜひ読んでほしい本
★★★★★
『頑張れ』『頑張る』『忙しい』『普通は・・・』という言葉をやめてみる。仕事にこだわり、曖昧な表現をできるだけ取り除く・・・」
「これからの社会を支える若者に期待すると、大人はすぐ言う。しかし、本当にそう思うならば、若者が欲している情報を誠実に提供しなければならない・・・」
自分が人事の分野で働こうと思ったきっかけの一つがこの本です。
労務の仕事をしていた頃、何度も読んで、周囲に回覧までしました。
仕事、労働、雇用、人材育成といったテーマについて、新たな視点を提供してくれます。
玄田さんが一貫して主張し続けている「仕事論」のエッセンスが詰まった一冊。
2001年の本ですが、特に人事・人材ビジネスに関わる人は必読。
寝ながら読む本
★☆☆☆☆
20世紀末の状況分析を21世紀になってから批判するのは卑怯かもしれないけど、当時からわかっていたことを意図的に無視しているトンデモ本。結論ありきで分析が歪められている。単行本発売から5年もたって実態が世間に見えてから文庫化したのが信じられない。まず、進学率の変化に全く触れていない。就業者数に対する分母を15歳以上人口でとるのは高校生もフルタイムで働けということか? 大学生のアルバイトも20代前半の常用雇用者比率を下げるし。ホワイトカラーの雇用不安を意図的に小さくしようというのはいかがなものか。次に雇用状況の変化が見えていない。解雇自由化が国会日程にのってきたのですが。年功賃金もどんどん廃止されているし。もっというと派遣・請負の問題にまともにふれていない。海外への生産移転にどう対応するべきだったかもみえない。そして公務員という言葉がほとんど出てこない。著者自身が特権に守られたいと自覚していたのだろう。定年延長で既得権はより強固になったし、給料もいいしね。バブルと少子化で若者の就業問題はもう大きなことではなくなったし、これからもそうありつづけるだろう。そしてそのことは、この本の功績ではなく、データを適当に講釈する経済学者なんて無視してきた私のような人々の努力によるものだといっておこう。
所得格差だけではない仕事格差も大事な問題です。
★★★★☆
働くことについては 就職する前だけの問題ではなく、就職後も考えなければならない人として普遍のテーマの問題であると思う。所得の格差は目に見えやすがそれ以上に 仕事の格差が実は働く事のキーポイントではないだろうか・・・。
バブル崩壊後久々の好景気のため学生は売り手市場とマスコミはもてはやすが、こんなときだからこそ真に「働く事の意義」が問われるのであろう。
現在就職活動中の学生を含め、企業の採用担当者には是非一読を勧める。特に社会人は自分の仕事への意識が磨耗しきっている事に気がつくのではないだろうか。
淡々と語る
★★★☆☆
不安には二種類ある「ハッキリとした不安」と「曖昧な不安」だ。ハッキリとした不安はリスクという言葉で置き換えられる。対象が見えているから、解決策を検討し実行することができる。しかし、「曖昧な不安」は厄介だ。不安の対象が見えていないため対策を立てることができない。無視を決め込んで次第に無気力感に侵されていくしか方法はないのだろうか。
本書ではそういった曖昧な不安をデータの分析を軸に解説していく。若年層の雇用を奪う中高年たち、格差の拡大の実際、フリーター、起業など。データ分析はリアルなようで実際読んでみると実感を持つのが難しい。ただ、感情論に走らず冷静に分析してくれるのでその点は良いと思った。
敵を間違えていますよ。玄田さん。
★☆☆☆☆
中高年から職を奪って、若者にあたえようとするとうるとは?
現実「自殺者」は中高年のほうが多いのですけど、それにハローワークに行った所で、年齢制限に引っかかり、求職もままならない。若者の方が、どちらかといえば、優遇されていますよ。
これ以上職を中高年から奪ってどうする?町を見れば解かるではないか?中高年のなんと警備員。しかも道路工事の交通整理ががり、ガソリンスタンドのアルバイター。駐車場の掃除係。
本当の「敵」ははっきり言って、工場移転、産業空洞化を積極推進している企業側にあるのに。