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僕らが働く理由、働かない理由、働けない理由 (文春文庫)

価格: ¥580
カテゴリ: 文庫
ブランド: 文藝春秋
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一人でも多くの方が本書に触れることを期待します ★★★★★
タイトルどおり重いテーマにぶちあたり、葛藤している若者たちをインタビュー形式で紹介し、構成しています。格好いいサクセスストリーや、教訓めいたことは一切ありません。

ただ、読者が本書を最後まで読むのには相当に寛容なこころが要求されます。
いつしか、その寛容なこころ対象が、自分であり、近所の子であり、わが子であり、職場の人などと重なっていることを実感して行きます。

「いいんじゃないの。そのエネルギーは大事だよ、とまず彼は肯定した。そして、そのエネルギーは数学でもっと発散できるよ、と当時の彼には信じられないようなことを言ったのだった。」
著者稲泉の安易に妥協しない姿勢、凛とした骨太の文章が印象に残り、何とも言えません。
働くことについて考える方へ ★★★★★
 僕はこの本に、大学2年生の時に出会いました。
その時、バイトが上手くいかず、悩んでいました。
「こんなバイトすら満足に出来ずに、就職できるのだろうか?もし、就職しても、その後、大丈夫なのだろうか?」

 まだ、このことに答えを見出せてはいませんが、僕のような悩みを持った方に対して、この本はそのヒントをくれるでしょう。この本は、現代を生きる8人の若者(僕より先輩ですが…)を取材し、その彼らの歩んだ人生が描かれています。

 その話の中から2人、僕にとって印象的であったものを紹介します。


1.引きこもりからの脱出
 引きこもりから脱出しようともがき、一人暮らし、バイトをし、高校に通ったり、アメリカへ空手の修業をしに行ったりする中で、挫折を繰り返しながらも(1つの行動をした後、波を打つように引きこもることをぶり返します)、社会の中で生きていくようになる青年の話。
 
 引きこもった時の無力感と、窮に瀕し、行動に出る時の活力のギャップに驚かされます。僕も無気力に日々を送っていることがありますが、「人間、やろうと思えば、色々なことに挑戦できる」と感じさせてくれました。人生は、物語のように、全てがうまくいく訳ではないという現実の厳しさを知らされるが、その中で前進し、社会に出ることでしか得られないものもあると感じました。前進したかと思いきや、以前の生活に後戻りするなど人間の弱さにも共感できると思います。


2.働くことは続けること
 この青年は、中学・高校とバスケ部に所属し、シゴキを受けるが、父は「運動部なら当然だ」と言われた。彼の父は無言で毎日働き、無遅刻無欠勤を全うし、無口だが男らしい人であった。青年はその父へ尊敬とあこがれの念を持つ。
 スポーツ関係の仕事に就きたいと思い、高卒後、あまり調べもせずに、スキー・スノボーの販売店に就職した。しかし、ウィンタースポーツは苦手で、商品説明などもうまくできず、販売成績が悪く、先輩からの罵倒され、やめようとするが、父に激怒され留まることにする。シーズン中、全ての休日を使い、スキーに通い、会社や尊敬する上司に報いようとする。しかし、販売成績は低迷したままであったが、7年間勤めあげる。その後、バイトをしながら、福祉の仕事を目指し、ホームヘルパーの職につき、施設に欠かせない存在となる。
 
 どんなに辛く苦しくても、その中で、苦労し努力することの大切さ、そして、人間はどこまで努力できるのかということを教えてくれました。そして、その中から道が開けてくることも信じさせてくれるでしょう。
人それぞれの生き方 ★★★★☆
この本には、著者が取材した8人の若者の就職状況を彼らの過去と絡めて書かれています。就職したけど辞めたい、夢を追ってフリーターを続けている、ひきこもりから完全に脱出出来ないでいる、生きがいの仕事を見つけた…そんな人々についてです。
 ちょっと重い内容のようですが、対談式な感じなので読みやすいと思いますよ。
読んでいて腹立たしい部分も多々あるのですが、「へぇ〜こんな人もいるんだなぁ」とか「こんな生き方もあるんだなぁ」と、考えさせられるモノがあるハズです。
就職活動中の方・悩んでいる方にも是非1度読んで頂きたい1冊です。

今、読むべき本です。 ★★★★★
登場するひとたちすべてさまざまな境遇であるけど、ここに書かれている20代前半くらいのひとたちの仕事に対する悩みはどれもすべて理解できる。
それを書く作者自身が「働く」ということについてインタビューされる側と同じく真剣にとらえているからこそ、とても伝わるのだと思う。ニートだとか、年金負担の増加だとか、決して社会問題へ広げて語らずに、「働くこと」についてその人自身の話を真摯に聞いてくれる感じ。
自分の仕事はこれでいいのか、毎日不安と焦りがある。それへの答えは出なくても、大学時代の友達に自分の話を聞いてもらったような一冊。
この作者の本は初めて読んだけれど、同世代の、今読んでおかなくちゃいけない人だと思った。ほかの著作はAMAZONでは品切れだけど、本屋で探してすぐに読もうと思う。
聞け、若者の声 ★★★★★
社会を前にして悩む若者のありままの姿を同年代の目線から巧みに浮き彫りにする好作品です。変に味付けされてない文章に若者の生の声を感じることができました。8人の異なる生き方をする若者が描かれていますが、自分の生き方とそれぞれ照らし合わせてみることで、自分の価値観もより明確にできた気がします。自分と同じ年代の人たちが同じ悩みや苦しみを抱えながら、懸命に生きている姿に触れることで非常に勇気付けられます。巧みな文章力もさることながら、若者の生きる姿を通してその心の奥底にまで焦点をあてた著者に拍手を送りたいです。
働くこと、生きることに思い悩む若者にはもちろんのこと、若者を理解しあぐねる中高年の方にも読んでもらいたい一冊です。