インターネットデパート - 取扱い商品数1000万点以上の通販サイト。送料無料商品も多数あります。

わが友マキアヴェッリ―フィレンツェ存亡 (塩野七生ルネサンス著作集)

価格: ¥2,205
カテゴリ: 単行本
ブランド: 新潮社
Amazon.co.jpで確認
この1冊でコシモ・メディチ以降のフィレンツェ共和国の歴史がわかります。 ★★★★★
イタリアの都市国家、なかでもルネサンスの中心となった共和国として、フィレンツェとヴェネツィアの歴史はおさえておきたいところです。後者に関しては同じ作者に「海の都の物語」という大作・好著があり、それがカバーしてくれますが、前者、特にコシモ・メディチが実質的に支配するようになって以降の歴史は、501ページに及ぶ本作がカバーしてくれます。というのは、本書はマキアヴェッリがフィレンツェ共和国の官僚として、そして失脚して以降の本人の言動を中心にすえて彼が活躍した時代を生き生きと描くとともに、その前後の歴史、つまりマキアヴェッリが生まれる前、生まれてから官僚に登用されるまで、そして死後フィレンツェ共和国がトスカーナ大公国になってしまうまでの歴史も簡潔に記してくれているからです。この構成が素晴しい。

マキアヴェッリ本人は有能だが、決して権謀術策の人ではなく、まさに「わが友」と呼びかけたくなる人間味あふれる人物だったことが本書でよくわかります。特に失脚中に、夜書斎で読書、つまり古の人と対話をするときにわざわざ官服を身につけていたという冒頭のエピソードが感動的です。わが国の漢詩に「一穂の青燈万古の心」という読書の醍醐味を集約した名句がありますが、それに通じます。歴史ものの読書を愛する人にとって、このエピソード一つとっても「わが友」と呼びかけたくなる人物にマキアヴェッリが思えてきませんか。
愛をこめて ★★★★★
 塩野七生という作家は 自分が女性であることを縦横無尽に使って
いる点では 特筆すべき作家である。好きな男に肩入れしている時の
塩野は 「だって好きだからしょうがないじゃない」と言い切って
いる。これに反論することは難しい。塩野自身が それを分かって
いて そう言っている。これを確信犯と言うのである。

 そんな塩野の想い人の一人が マキアヴェッリである。彼は
「君主論」で 日本でもよく知られている。マキアベリズムという言葉
は 日本でも悪い響きを持って言われる。そんな彼の悪評に我慢が
ならないのが 深情けをしてしまっている塩野である。

 本書で マキアヴェッリの生涯に親しく触れることが出来た。
そこで描かれる彼は 幾分が滑稽味を帯びた 我々と等身大の男で
ある。塩野は 彼を我々の目線に下げた上で その稀代の現実主義を
説く。
 実際 「君主論」を読んで見ると 彼は 科学者の視点で人間を
語っているだけのように思えてしかたない。善悪を超えて 実態を
冷静に叙述する彼は 正しく科学者である。
 そんな彼を 愛をこめて塩野七生が描き出す。面白くないわけがない。
合理的思考 ★★★★★
マキアヴェッリは、極めて合理的な思考の持ち主で、それを処世術として文
章に表している。塩野女史も彼にほれ込み、彼の解釈本を多く出している。
原典に当たることをお勧めするが、手っ取り早くこの本を読むこともよいか
もしれない。
史料に対する「あたりまえ」の視点からの想像力 ★★★★☆
 本作は、まだ塩野七生氏が言論界の中で主流派の位置になく、
それだけに一級の史料考証と、歴史学研究史の理解と整理に
基づきながら、複雑な陰影を帯びた明朗な文体を駆使して
イタリア・ルネッサンス期の卓越した紹介者としての地位を
確立していた時代の佳作である。
 
 マキャヴェリという非凡で現実に即した直截的な思想家の

生涯を、著者独自の視点でスライスしてくれる。その断面の
着眼点が面白い。冷徹な現実家としてのマキャヴェリの闊達
で女性好きな、人生の快楽に浸り味わう一面を著者一流の
共感と愛情を以って描き出す。また、「君主論」という書物
の置かれた時代環境を、特に受け取ったエリートの立場を
踏まえて叙述する点などは、著者ならではのものだろう。

 本作を含めたイタリア・ルネッサンス期を題材にしていた
頃の著者の作品は、概して今日読んでも十分に堪能できる
佳作が多い。思想立場問わず、是非一読を勧めたい。

悪魔の書ではありません! ★★★★★
塩野七生を理解するにはこの人を外しては考えられません。彼女の著作すべてに脈々と内包されている透徹した目は、マキアベッリそのものではないですか。世の中そんなに甘くない、天国に行きたい人は、地獄への行き方を知っているほうがどんなに役に立つことか。表面的なあるいは情緒的な反感はこの際すっぱり捨てましょう。生きることは戦いである。進化論を待つまでもなく、自然淘汰は世の常ではないですか。そこにこそ人生を生き抜くアルテがあることを認識しましょう。マキアベッリを知らずして、世の栄達はないにちがいない。あとは、あなたにフォルトゥーナがありますように!
ついでに、サマセットモームが書いた「Then and now」もいっしょにどうぞ。