ジョン・ウォーターズが1988年に、踊り、音楽、大柄な美女たち、そして人種統合に捧げた賛歌であるブロードウェイ・ミュージカルのオリジナル・キャストによるレコーディングは、まさに楽しいの一語に尽きる。レコーディングは全体を通じてずっとすばらしくアップビートな調子で、1960年代初頭という物語の設定に合わせてクラシックな感じもある。マリッサ・ジャレット・ウィノカー（トレイシー・ターンブラッド役）による「グッドモーニング・ボルティモア」のオープニング・メロディから、はっとするほどアップビートなフィナーレの「ユー・キャント・ストップ・ザ・ビート」まで、数々の歌が登場人物たちに生命を吹き込む。作曲はマーク・シャイマンで、彼の最近のプロジェクトには「サウス・パーク」があり、その他にも映画のサウンドトラックを数多く手がけている。彼の楽曲はしっかり構成されていて、しかもあふれんばかりに豊かである。シャイマンとスコット・ウィットマンの手になる歌詞は、限りない情熱と原色の感情にあふれている。話の筋や舞台上の演出をよく知っていても、このレコーディングの魅力を避けて通ることは難しい。それほど楽しくない歌でも彩り豊かであり、テーマにきちんと敬意が払われているのだ。（Genevieve Williams, Amazon.com）