が、最初は微積分の簡単な復習から入る。これは決して無意味でことではなく、高校数学ではあまり丁寧に扱われなかった「積分の意味」をきちんと説明するという意図がこめられている。
その先は高校理系の微積分を知っていることを前提に話が進むが、逆に言えばそれ以上の前提知識は要らない。「惑星はなぜ楕円軌道を描くのか」を目標に、極座標の概念などを順番に説明していく。
あえて高度な数学技法を使わずに馬鹿正直に計算しているし、一部の式については「この結果は暗記しなくてよい、必要になったときに毎回計算すればよい」と断言しているので、面倒だが丁寧に追っていけば高校生でも難無く読める本である。
入門書として是非ともおすすめしたい。ただ、剛体がらみの話が物足りないように感じたので、不満を感じたら2冊目の教科書に進もう。この本を読んであればスムーズにステップアップできるはずである。