その小説の数々の中から、「名言」を抜粋し、まとめられたのがこの一冊です。宮城谷さんの小説をまったく知らないという方でも、安心して言葉の力をかみ締めることができると思います。
「人はおのれのままでありたい。それは願望とはいえぬほどそこはかとないものでありながら、じつは最大の欲望である」(『奇貨居くべし』春風篇143)
言葉によって救われることがありますが、まさしくこの本はそんな言葉がぎっしりつまっています。
本書は大きく分けて、第一章・ひとの生き方 第二章・努力と成長 第三章・勝負と勝ち負け 第四章・資質と運命 第五章・男と女 第六章・富と利 第七章・自然・美・愛 という構成になっています。
あとがきとして、著者の今にいたるまでの様々な思いなどが載せられています。
この本には載せきれなかっただろう名言もあるとおもいます。けれど、この本はわたしの本棚に一生居場所を確保していると思います。感動しました。