封印した自分を解放する
★★☆☆☆
様々な心理学者の研究成果を引き合いに出しているが、
逆に言うと、著者の経験談や考えの部分が少ない。
読み物としては興味を惹く、といった程度。
自分を認め、現実社会で揉まれることを解決法とするが、
言葉だけで簡単に変われる程、甘くはない。
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"期待されている自分像"を演じているうちに、
本当の自分を見失っているかもしれない。
他人の思惑や、誰かの期待に踊らされないように防ぎつつ、
自分の実体を取り戻すための手順書であり、
自分自身の証明書を発行するための書籍。
偽りの自分を生きるメリットもあれば、デメリットもある。
本書は後者に重点を置いた内容である。
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ひとりの男子大学生の言葉は、誰にでもあてはまる。
「僕の誠実さや優しさは、
邪悪さをカモフラージュする隠れ蓑です。」
心と身体が乖離してしまった人々、
それぞれの苦しみ、そのケーススタディを紹介し、
本当の自分と、偽りの自分、その分裂した感覚の修復方法まで解説
1. 養育者 (主に母親)からの安定した愛着
2. 「自分で」「自分が」という意志の欠落
3. 拮抗禁止令の束縛
度が過ぎるとわがままに、
一人っ子や、お金持ちの親に甘やかされて育った子に多いような気がする。
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法律を含め、ルールに縛られすぎないコトも大事
「言葉とは感情の代理物であり、衝動的行動の代理物です。」
「基本的な欲求は満たされないと、
その欲求への過度の執着が生じるという性質があります。」
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どこかで読んで知っているかもしれないが、
自分の根本的欲求を分析するやり方
* 性格のルーツ調べ (性格形成に影響を与えた他者の相関図)
* 価値分析 (本当にヤリたいことを書き出す)
自分を生きるための、そして、感覚と感情を信頼するための一冊
主なテーマは「親の教育」と「本当の自分の価値」と感じました
★★★★★
タイトルからいい人に見られたい人とは?みたいな本かと思ったら大間違いです。
「本当の自分」は別にいると感じる人間を
心理学から読み解いて、さらにその原因の多くを親の教育に見ています。
さらに、後半では「本当の自分」は別にいるというギャップをなくすには?
という見方から、自己分析の手法まで紹介。
ある意味、就活の自己分析本よりよっぽど内容が濃くて有益かも
少しばかりですが、心理学的にみた恋愛の形や大切さもかかれています。
そして、とにかくわかりやすいです。
その原因は、筆者が直接カウンセリングしてきた(?)人の具体的なコメントと事例が用いられているからです。
そのコメントのリアルさと痛烈な部分が、より理解しやすくしてくれています。
特に自分がすごいと感じたものを一つ引用しておきます
『母を喜ばせたくて、いろんなことにがんばってきました。
それで、クラスではいつも中心的な存在でした。
演劇をするときにも主役をもらいましたが、
主役は母親であって自分はその召使いにすぎない、と感じていました。
文化祭当日、誇らしげなのは母親だけで、
自分のこころは惨めなものでした。(女子大学生)』