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ユダヤ人はなぜ迫害されたか

価格: ¥3,024
カテゴリ: 単行本
ブランド: ミルトス
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あらゆる理由の検証 ★★★★☆
今までに聞いたことのある、あらゆる反ユダヤ思想の理由が一つずつ検証されている。
アメリカ人の筆者ゆえに、アメリカでのキリスト教地盤の読者に対峙する感覚がことエピローグの部分に顕著に伺えるが、
本編は総体的に丁寧かつクールに検証されている観があり、非常に参考になる。
歴史的な啓蒙思想家、社会主義など、反ユダヤ、あるいはユダヤ人でありながら反ユダヤとして生きた人々の歴史的な事実、あるいはその真意、周囲の反応など、知らなかった部分、知ったが故にがっかりするような話は多く、
また現状のアメリカ在住ユダヤ人の様々なタイプについての紹介もあり、
今後、非ユダヤがユダヤについて考えることの重要性、キリスト教・ユダヤ教各徒が今後なすべきことの提示…じゃあどうしたらいいのか、の意見があるというのは嬉しいことだ…、また
そうした世界の中で、反ユダヤ・反シオニストというものについて、一日本人として知るべき観点を、要領よく紹介されていたことは非常によかった。
あらためて、ユダヤ経典関連(モーセ五書、タルムード、ミシュナ等)について興味を持った。それ自体を知らずして、良いも悪いもどうすべきかも、導かれないだろうと感じた。
どうして? ★★★★☆
 本書は、古代から今日にいたるまでのユダヤ人憎悪の根本原因は、ユダヤ教、つまり”ユダヤ人をユダヤ的にしてきたもの”にある、とする。
”ユダヤ人をユダヤ的にしてきたもの”とは、ユダヤの神、律法、そしてイスラエル国家への厚い忠誠心や、
ユダヤ人はこの世の完成という使命を全うするため神に選ばれたものである、との教義などであり、

それ故に、さまざまな非ユダヤ宗教、文化と衝突してきた、という。
 本書中盤の、反ユダヤ主義の歴史的証拠は凄まじいもので、いろいろと考えさせられる。
中でも、ナチはユダヤ人をスケープゴートとして利用したのではなく、
ドイツ社会に以前から存在していたユダヤ人の特性、価値観に対する嫌悪に、ナチ自らが作り出した人種主義という拠り所を与え

アーリア人対ユダヤ人という図式を確立し、そうすることでユダヤ問題のいわゆる”最終解決”を図った、との件は、
私のなかで判然としていなかった”ナチのユダヤ人迫害は、なぜ?”に対して答を与えてくれた。

 本の内容についてではないが、ひとつ残念なのは、おそらく訳は正しいのだろうし、意味もわかるのだが、文法的に変な文がみられること。

ついでに・・・本書で紹介されている、サルトルが考えた出したユダヤ人憎悪の原因は凄く変で笑えます。