自分がその場にいるみたい、まるで一員になったような錯覚に陥る・・
★★★★★
可愛くて単純だけど妙に頑固な受と、無口で男前だけど悶々と一人でグルグル考えている攻って面白い組み合わせ。
特に、圭治の一人で心の中で問題提起、考察、そして結論と考えている姿が非常にツボをつく。
圭治の晴輝がかわいくてしょうがない!というダダ漏れ気持ちも読んでいてい楽しい。逆に思われる側の晴輝は、どっちかいうと他の本にもいそ うなキャラでそこまで惹かれない。可愛いくて頑固なことは認めるが、つむじが2つあるという設定以外はそこまで感情移入する対象ではない。
なんたってやはりメインは圭治でしょう、この本。
後半部分は「理髪師の、懊脳やむないお気に入り」は、今度は圭治視点での二人の話。変に晴輝に誤解させてしまったけど、それに気づいていな い圭治は一人悩んで胃を悪くしてしまう。
お互いに好きなのに、言葉足らず、認識足らずに勝手に解釈の連続で、うまくいかないもどかしさ。
そのもどかしい気持ちに少しギャグスパイスが効かせてあるので、切ないくせに思わず読みながら笑ってしまうという、読者としては電車では読 めない状況・・・・。
わたしは思いっきり電車で読んで、プッとか笑っちゃって、隣のおじさんに席移動されましたけどね。
藤井沢商店街最後のシリーズということで、最後にいままでのキャラが総チラ出してて、また思わず懐かしくなってしまい、前読んだのを読み返そうという気になる・・・メビウスの輪のようだ、このシリーズ。
お上手で・・・・
★★★★★
どうも個人的に受けが女の子っぽすぎる作品は苦手なのですが
この作品では主人公(春輝)にしっかり男の子ならではの感じがあったので良かったです。
章(?)ごとで目線を変えて書いてあったりしたのでその辺も面白かったです。
ベタな幼馴染萌えとは少し違った感じでした。
別の作品のキャラクターもちょこちょこ出てきています。
キャラがしっかりしていたので途中でキャラ崩壊することもなく、攻を応援したくなるような作品でした。
最後の感じがとてもきれいで好きでした。
これで完結はさみしい…
★★★★☆
藤井沢商店街シリーズの完結編です。
幼馴染物好きとしては、シリーズ五作中で一番のお気に入り。
書き下ろしの攻め目線で進んでいく『理髪師の、懊悩〜』では、冷静沈着な攻めの不器用すぎる一途さが書かれていて、一気にかわいい人になってしまってます。
おむつの仲の二人ゆえのライバル心や、自覚のない嫉妬心。
二人のやり取りが自然で読んでいて面白く、楽しめました。
懐かしいキャラが勢揃いのラストは、一作目から読んでいるのでちょっと得した気分。
特に最後の二行にはジンときてしまいました。
最終巻?
★★★★☆
歯科医の憂鬱と同じ「藤井沢商店街シリーズ」・・・と、考えて読むと、
残念だが面白さでは、「歯科医」が断然面白かった。
故に 最終巻と言われてしまうと、何だか残念な気持ちになってしまった。
シリーズに登場していた人たちが、大勢出てくるのも悪くないが、やはり何か 物足りない。
晴輝と圭治の互いの勘違いや、嫉妬、変に気を遣う様子はかなりのじれったさも募らせてくれる。
シリーズで色々なパターンのカップル・・・と、言うのもいいけれど、
ホンネは「歯科医」単独の続編を読みたいと思っている。
一抹の寂しさ
★★★★☆
藤井沢商店街シリーズ5冊目にして最終巻です。
「藤井沢」という町を舞台にしたこのシリーズ、ちらっと別の話のキャラが出てきたりはしますが、ストーリー的には独立しているので単品でも楽しめます。
けれど、今作の二話め(書き下ろし)で、今までのキャラがわさわさ出てくるので、通して読んできたファンには二倍楽しいかも。
お話は、幼なじみの二人が高校卒業後、別々の進路をとり離れていたけれど、故郷に戻り再会し、恋心を改めて認識する……簡単に言えばそんな感じです。
ありがちな話ですが、榎田さんの上手いセリフ回し、豊かな脇役の性格付けで飽きさせません。
シリーズ中、「歯科医の憂鬱」が一番よかったと私は思っていますので、板金屋・穂高&三和センセイのカップルをもう一度読めたのは嬉しかったです。
今作品の幼なじみカップルが選んだ道はちょっぴり意外で、後半はしんみりしちゃいました。
物語の最後って、もの悲しかったりするんですよね。