ハッピーエンドでも切ない雰囲気
★★★★★
独特の絵柄と話運びのおかげで、現実的な話でもどこかファンタジーめいて見える
「遊覧船」に似た淡い優しいイメージ
もちろんすごく良かったし、好きなんだけど
派手さはないので藤たまきさんファンが好きな話しかも
始めて読むなら「プライベートジムナスティックス」「アナトミア」「オンリーイフ」とかの
シリアス系を読んでから、コレを読むとただ優しいだけの人じゃないんだな〜と解る
シリアスでちょっとセンシティブで、痛々しいながらも優しい
どこか文学的で詩的なのが藤さんの持ち味
これは比較的甘〜いっと思う
この辺りから昔の藤さん作品と違う柔らかい甘い雰囲気が滲んできて
ファンとしては色んな藤さんが見えて、今も昔も好き
悪くなったのではなくより良く進化していってるから
攻の人の顔つきとかも昔ならないようなタイプで新鮮
ハッピーエンドを書きながらもどこか同性愛に対して後ろめたいような
異性愛との違いをさりげなく挿入しているのがお上手
表題作の「密告」は主人公カップルのくっつくまでの過程が
ほんの数ページだけどあって、それがすごく純で可愛い
「ゆりかご」は挿入される歌が悲しくないのに切なくさせて
物語に色取りをあたえている
窓辺で「ゆりかごの歌」を歌う様子をとても静謐で美しいです
何だか、エッチシーンが昔よりエロくなった気がします
すごく少ないんだけど・・・・(数コマ)
全部ハッピーエンドだし、読みやすい短編なので繰り返し読みたくなります
う〜ん・・・大好きだなぁ
青年、少年らしさ
★★★★★
表題の『密告』を含む4篇の短篇を収録しています。
4篇とも秘密を抱えた登場人物たちが織りなす物語であり、
藤たまきさんらしい青年、少年らしさで描かれていると思います。
<収録短篇>
密告
出雲
水を汲みに丘を登った
ゆりかご
ビミョ〜
★★☆☆☆
私はちょっと絵の描き方が好きじゃなかったかも。メルヘンチックで。
内容が嫌なわけではないんだけどね。表紙も好きなんだけどね。
でもね〜って感じ。