儚く物悲しい
★★★★☆
百鬼丸とどろろの旅を描いた第2作目。
1 ばんもんの巻
2 白面不動の巻
3 鯖目の巻
4 地獄変の巻
3と4は話としては繋がっています。
第1巻と違い、やるせないストーリーではなく、
人間味ある登場キャラ達が所狭しと活躍します。
一番好きなのは寺の孤児達の御霊が集まった小僧妖怪。
儚く物悲しい話の連続ですが、読後は温かいものが心に残ります。
物語の最後には、いつもの通り村人たちに追い出されてしまいますが、
人間の猜疑心や異種への怖れを的確に表現していると思います。
1巻に引き続き、妖怪が大変不気味に描かれています。
しかし、それ以上に不気味に魅せているのが人間の本性です。
深読みしすぎかもしれませんが、その対比効果が非常に巧く書かれている作品です。
ひとりよがりでない
★★★★★
漫画は読まないようになったけども、映画化したことで気になり購入。
初めて読んだ手塚作品だったが、衝撃を受けた。
あ、これが漫画か!
巷にごろごろしているものの中身の薄っぺらさ!
マスコット的絵柄なのにかっこいい。だから疲れないのに引き込まれる。
こんな人間くさい漫画かく人がいたんだなぁ…。
劇画らしくリアルな絵だったら、サッコンの劇画よりもヘビーな読み物になりそう。
下手な映画や小説よりもリアルに表現してある。
こりゃ実写化するよ。
ホゲホゲタラタラホゲタラポン
★★★★☆
「ばんもん」「白面不動」「まいまいおんば」の3つの妖怪譚が展開します。〝ばんもん〟ってのはやっぱり「板門店」を意識してたんでしょうか。丘の上にたつ板塀が圧倒的な存在感を持って描かれ、百鬼丸の生い立ちに絡む因縁がストーリーにも関わってきます。