逆です。
★★★★★
これまでこの作品に欠けている物があったとすれば主人公を激しく突き動かすライバルの存在でした。
スポ根好き(wとしては待望していた存在がこの巻からついに出てきた感じがしました。
ミンミンの物語にこれだけの熱量を割かなければスバルには対抗できないのでしょう、ワクワクして読みました。
ミンミンはこのエピソードの中でどんどん力を得ていて今や連載では不気味で妖しい魅力とパワーを身に付けつつあります。
ある意味スバル以上に。
ミンミンの生い立ちが不幸だというのはそれこそイージーすぎる見方だと思います、逆です。
不幸どころかミンミンは色んなものを与えられ、得ている最中で
彼女もスバルと同じく「最高に幸せな人生」を生きつつあるのだと思います。
そして一見似ていてもスバルとは決定的に違うところがあり、それが彼女の強さにつながっているのですが
そのことについてスバルが語っているところが面白い。
確かにミンミンは同性から見てイラッと来るところがあって(wスバルの気持ちがわかります。
多分意図的にこういうキャラにしたのでしょうね。
今までそのすごすぎる才能ゆえどことなくすべてに倦んでいたスバルがミンミンという
どうしても癇に障るもう一人の天才を「得て」変わっていきます。スバルのエネルギーもさらに増大していきそうで今後が楽しみです。
昔からの曽田さんファンとしてはミンミンがシャカリキ!のユタを越えるライバルキャラに育つことを願っています。
あと余談ですが個人的には「昴」のころの各話のサブタイトルが好きだったのですが
MOONではなぜ無くなってしまったのでしょうか?ぜひ復活してください。
不幸な生い立ちとバレリーナの資質
★★★☆☆
正直、シューミンミンの登場と、これだけ頁を割かれるのには
うんざりした。
だって、中国版の昴?
まあ、文学でもなんでも、不幸な方が書くことたくさんあるし、
読者も簡単に惹きつけられるけど、
なんだかイージー。
スバルだけじゃ巻数長すぎてもたなくなってきた感満載。
とっとと、早いとこ、スバルがプリシアをぶっちぎるところあたりまで
話しをすすめて欲しい
天才の性格のゆがみ。夢中ので生きる人のナルシシズム。
★★★★☆
曽田正人という作家のコアは、『天才』を描くこと。天才とは、エンターテイメントでは万人に共感しにくい特殊な人格の人生を描くこと、にあると思います。マーケティング的に、いまの時代に凄く合わないチャレンジをしている。いまの時代は、いかに沢山の人に感情移入させるかという最大公約数を、趣味が細分化した島宇宙的な市場で行うという、「妥協のシステム」によって成り立ってますから。その中で、第一部の『昴』は、見事にそれに成功していました。あれほど狂気の素晴らしい作品が、「それでも雑誌では人気がなかった」ことを考えると、なかなか考えさせられるものがあります。第二部は、第一部の『天才が天才として上り詰めていくビルドゥングスロマン』をいっ直接んに描き、かつ見ている大多数の平均的人生を送る読者が理解できない天才の動機が生まれてくることろ」まで描けたといういみで超傑作でした。が、第二部は、、、面白いのは面白いが、「ある種出来上がってしまってい」モノで第一部ほどのテンション(=緊張感)を感じませんでした。しかし、ここへきて彼が書きたいモノが変わってきた気がします。シュー・ミンミン、それにスバルらは、もう既に『天才として出来上がっている』人物です。その人物たちが、「怪物」にならないで、それでも芸の、エンターテイメントの表現者としてのギリギリのラインを上っていく「その自己中心的ないやらしいまでのわがままさ」を描くことだと僕は思います。なぜ?という部分は残りますが(売れにくいから)、しかし正直に、天才たちの世界というのはこうした夢中のナルシシズムとわがままに溢れているだなろうなーと思います。昴もミンミンも、どっかねじが壊れて、こんな子が近くにいたらたまったもんじゃないでしょう?ってくらい自己顕示欲とナルシシズムの語りまでしょう?。そして、たぶんそれがあらがいがたい魅力を放つところも、、、、なかなか考えさせられる。
成長し続ける天才。
★★★★★
昴。
この子は一体どこまで成長すれば気が済むんでしょうか。
毎度こちらの予想を気持ち良く飛び越えてくれて、目が離せません。
今回昴の恋愛要素はありません。
昴の頭の中はバレエでいっぱいです。
ライバル、シュー・ミンミンへの焦りと競争心。
コンクール二次予選、昴のジゼル披露。
今回は後半約半分がシュー・ミンミンの過去になっています。
まだ続くようです。
正直、同性には嫌味で強気なくせに、異性の前でだけすぐ泣いて同情を得ようとするミンミンのキャラには魅力を感じられません。
「もういいよ…昴見せてくれよ」
という気持ちでお腹いっぱいです。
ミンミン以外は、今までのライバルや女性キャラ全員好きだったんだけどなぁ…。
昴を応援しながら、次巻を待ちます。
ただ美しいだけのもの
★★★★★
ライバル、シューミンミンのおかげででいよいよ面白くなってきましたが
この6巻では「ただ美しいだけのもの」を表現するための素晴らしい見開きがあります。
「技術なんてあって当然、目指すものはその先にある」という言葉は作者自身の思いなのでしょう。
渾身の思いが曽田先生の絵にはこもってます。
次巻が待ち遠しいです。