あんまり漫画に対してリアリティを求めるのはどうかと思ったけど
何十人もの男を一人の女が相手をしても男のほうも全然楽しくないような。

本当にあの手の制度を作るんだったら模範囚にはご褒美でって
感じのシステムのほうが効率的な気がする。

1巻完結の漫画としてはクオリティは高いけど
内容があんまり気持ちいいものではないので☆4。

最初読んだときにはキツイな、と思いました。
物語の世界観の基盤が脆弱なこともなにもかも置いておいて、
ただこの繰り返される絶望と希望の繰り返しが
ひたすらキツい、と思ったのです。

孤児院からブラッドハーレー家へと行けるのだという希望。
そこで待っていた絶望。
それでもこれを乗り越えればという希望。
だけど日ごと陵辱は激しさを増し、
生きて出られるはずがないという現実に打ちのめされて味わう絶望。

歩いては止まり、止まっていたいのに歩かされ、
そしてまた歩くことを止めさせられる。
その繰り返しこそがなにより残酷で非道だと感じました。
作者が描きたかったのだろう陵辱や設定は、
正直それほどグロではないと思います。
もちろん、それが現実に成されるとなれば論外な話しですが。

ただ、私がそこまでこの物語を非道と思わないのは、
果たして人間にこんなことが出来るだろうか、という疑問を持つからです。
確かに人間は卑しいし非道だし救いようのない汚い部分もたくさんあります。
だけどそれと同じように、高潔で慈愛に溢れ、困った者を助けることも出来る。
そんな善良な人間ばかりじゃない、と前提を作るために場所を刑務所とし、
あたかも彼らが悪人であるのが当たり前のように
無期懲役囚ばかりが相手と設定したのかもしれませんが、
犯罪を犯そうがなんだろうが、
このシチュエーションで快楽だけを追求できる人格破綻者の集まりなど
そうそうあるはずがない。

なのでこの話は私にとって、ただ作者のロマンを追求しただけの
非常に私的なファンタジーなのだという結論に至りました。
その私的な妄想だけでここまで読ませるのは凄い。
だけどエンターテイメントとして訴えてくるものがあるかどうかは「？」なので
そこそこ、星3つです。

このお話は本当に陰惨で、痛々しくて、かわいそうすぎる。
最終的には「え、簡単に解決したな」と思うくらいあっさり。
社会派に見えて実は、幼い女の子の痛々しい姿を書きたかっただけのマンガじゃないの
と思う部分もあります。

でも、そのどＳな描写、沙村先生にしか書けない。
これこそが才能だと思う。
痛々しいことを痛々しく書ける、生々しく書ける。非道いと思わせる。
もうほんとに、このマンガを読んで感情がすごく揺れました。
高い画力とストーリー展開のなぜるわざ。

ただ後半はぐだぐだというか、見所がありません。
でも最終的にはちゃんと罰せられる人は罰せられて、綺麗に落ち着いたので良し。
そこを読みたいマンガじゃないんです。
きらめきは前半にあります。もうそれだけでこの本は価値がある。

無限と同じ作者なので、 買ってはみたものの、半分読んだところでゴミ箱行き! このての内容は好きではあるが、あまりにも話が単調!

ストーリーも陵辱描写もオチも全体的にうすぼんやりしていてはっきりしない。
純粋な少女たちの悲哀と大人の汚らしさは色濃く描かれているけど、活かしきれていない。
どうせなら年齢制限がつくほど過激にして大人の冷酷さをもっと浮き彫りにするなり、それでも純に救いを信じ続ける少女の哀れさを濃厚に表現して欲しかったです。