ある意味無邪気な心を持った老人がおもちゃを壊すように破壊していくというストーリー。
絵は大友克洋独特の細い線で細かく書かれている。
純真無垢な子供の心だからこそ、はかり知れない能力が隠されている、それとも人にも地球上にも計り知れないエネルギーがあるという事だろうか。
もうひとつ大友克洋の世界が掴みきれなかった・・・。

大友克洋のその画力の凄さを世に知らしめた傑作。画を見ているだけでもその迫力はまるで映画のように伝わってくる。巨大な団地という集合体を舞台に、彼が描く建造物がリアルの極致で表現されているのは圧巻である。また出てくる登場人物もそれぞれがアクが強く、藤山良夫と吉川ひろしの友情は読んでいて涙が出てきた。

まさしく大友さんの世界ですね！
何回も読み返したくなり、細部までこってる所が更ににくい。
本当に勉強になるし楽しめる1冊です。

漫画神こと手塚治虫以降の漫画史における特筆すべき歴史的な人物と言えば文句無しに大友克洋であり、
歴史的な漫画と言えば個人的にはこの童夢であると思います。
現在の漫画は手塚治虫のデフォルメに大友克洋の実写映画を切り取ったかのようなリアルな絵柄を加えたものであると言っても過言ではないでしょう。（少女漫画はまた違いますが）
そしてそのターニングポイントを創り上げた大友克洋の凄まじさを体感できる一冊が童夢だと思います。

AKIRAももちろん傑作ですが、入りやすいのはこっちじゃないかな、と僕は思います。

ある団地で起こった多数の変死から事件が始まる。
「AKIRA」で有名な大友 克洋のAKIRA直前の作品。

AKIRAで見られる超能力の表現がここでも随所に描かれていて、
効果線がほとんどない静止画風のコマながら
映画的な動きや雰囲気が伝わる独特のマンガ。

壊れた破片や建物などの描き込みはさすがで、
徐々に規模の大きくなる展開に合わせてテンションが上がる。
一冊たっぷり使って団地内での戦いが行われ、
これだけでも短時間アニメが作れそうな内容。

これに興味が持てるなら、アニメではなく原作版「AKIRA」をぜひ。