最新の技術に遅れを取ることなく、悪人の才能(と過ちを犯しやすい性格)を主人公たちの魅力的な人間性と合わせて表現している。主任で昆虫学者のギル・グリッソム(プロデューサーの1人でもあるウィリアム・ピーターセン)は内向的だが倫理感が強い。夜間も働くチームの指導者でもあり、道徳的指針でもある。チームには元ストリッパー(マーグ・ヘルゲンバーガー)、ギャンブル癖を直そうとしている者(ゲイリー・ドゥーダン)、仕事熱心だが改善の余地のある者(ジョージ・イーズ)、仕事熱心で担当した事件から感情的に抜けられなくなる者(ジョージャ・フォックス)、チームと警察本部をつないでいる欠かせないチーフ(ポール・ギルフォイル)がいる。「Xファイル」同様、「CSI」も映画化に値する内容で登場人物を支えており、『羅生門』のように殺人がだんだん因果関係の詳しい検証に伸展していく構造を取っている。脚本の質は一貫して高く(「惨劇の家:原題Blood Drops」「高度3万フィートの密室殺人:原題Unfriendly Skies」は特にすばらしい)、監督術も巧妙で洗練されており、ミステリーは複雑で多様な見方ができる。DVDならではの特典に乏しいのは残念だが、「CSI」のシーズン1は、DVD化されても、オンエア時の高い評判に値する、観たら病みつきになる作品である。(Jeff Shannon, Amazon.com)