交流分析を深く学びたい人であれば、いろいろな気づきが得られるだろう。
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この本を読んで、私にはいろいろと新しい発見があった。
その発見のうち、「グループ・セッションでエゴグラムに変化をおこす方法」についてまとめてみたい。
この本の中では、グループ・セッションの事例が数多く紹介されている。このグループ・セッションの過程は明確には説明されていないが、次のように推測された。
1 医療的には問題の無いクライエントがグループに紹介される。
2 グループに入る前には、交流分析の基礎が教えられる。
3 グループの中で、クライエントが自分の抱えている問題について語る。
4 クライエントの話を聞いた後に、その人のエゴグラムについて周囲の人が話し合いながら完成する。そのエゴクラムがクライエント本人の実感と一致するか確かめる。
5 エゴクラムをどのように変化させていくか(=目標)について決定する。
6 目標達成のための方法について、周囲の人からアドバイスを受ける。
7 クライエントがエゴグラムを変化させるための実践を始める。
8 定期的にグループ・セッションを設けて、クライエントが実践中に直面する抵抗について話し合い、その抵抗の克服法についてアドバイスする。また、クライエントにストロークを与えて支持する。
9 以上の過程の中で、必要であれば、エンプティ・チェア(下記参照)の技法を使ってクライエントの気づきを促す。
【エンプティ・チェア(=空の椅子)】
・CPになりきる椅子、Aになりきる椅子、ACになりきる椅子などを用意する。
・クライエントに椅子に座ってもらって、そのときの気持ち再体験して言ってもらう。
・いくつかの椅子に座ってもらって、自我状態を切り替えさせつつ、自己内の対話をさせていく。
・ときどき、ファシリテータ役や周囲の人がその対話に介入して、質問やアドバイス等を行なう。
交流分析を深く学びたい人であれば、この本を読むことでいろいろな気づきが得られることだろう。