パワフル
★★★★★
失礼を承知で言えば、初めてメディアでキティの3代目デザイナー・山口さんを見た時、
それなりに高齢の女性がベビードールのようなフリフリワンピに真っ赤なルージュをひいたその姿に、
出てきちゃ駄目だろう…!
と声に出してしまった。
しかし、彼女がインタビューを受け話す言葉に、意外にもビジネスライクなものを感じて、この人はどういう考えの人なのか、と興味がわき本書を購入したところ、発想と努力の人であった。
持っている天然の感性だけでなく、裏打ちのある方針で
他の多くのキャラクターと同じように花開いた後落ち目を迎え、そっと天寿を全うしようとしていたキティをもう一度不滅のキャラに仕立て上げたとわかった。
可愛らしい表紙からはあまり想像できなかった、その仕事の過程が、どんな思考を元にどう行われたかがつづられている。
(初めて本屋で表紙を見ただけの時は、何の本かわからなかった。
キャラクターアイテムの歴史をまとめた物かなと思っていたので、全く違った。)
『人気キャラに仕立て上げた』と書いたが、キティの手を握って舞台に引っ張り上げ、そのまま一緒に走り出した。というそんな光景が浮かぶ一冊。
読み終わって自分もなんだか前向きになれた。
それにしても、中学・高校・大学時代からとんでもなくパワフル。
喫茶店の店長を任されてしまう下りは、『現役の学生にそんなことが起こる物だろうか』と思ったが
偶然ではなく、彼女のパワフルさとバイタリティを目の当たりにしたからこそ店を畳まず頼んじゃったんだろうな。
読後に清々しさがありました
★★★★★
読み始めたら一気に読めました。読み終えてなんとも清々しい感動がありました。キティの三代目デザイナーの山口裕子さんの半世紀なんですが、半世紀にありがちな泥臭い苦労話などではなく、読み終えた人がきっと皆前向きになれると思います!周りの言うことをただうのみにはせず、「なんで?」と問いかけながら、決して後悔しない道を選択してきた山口さん。それってすごく大変なこと。後悔しない選択とは、実はとても大変なエネルギーが必要で、好き勝手に生きることとはわけが違う。そんなことを改めて教えられました。
こんな背景があったなんて・・・
★★★★★
人はひとりでは生きてゆけない。
再認識させられたストーリー。
ターニングポイントには
山口さんは大切な人と関わっている。
自分の人生を振り返っても
同じ気がした。
森さんの構成は相変わらず抜群。
スッと胸におさまる心地よい読みごたえを感じる。
過去の著書「夫婦別寝の時代」「マルイチ」
でもそうだったように。