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高杉晋作(2)(山岡荘八歴史文庫78)

価格: ¥799
カテゴリ: 文庫
ブランド: 講談社
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晋作始動 ★★★★★
 動きの少なかった1巻に比べると、長い、また様々な旅と経験の末に、ようやく晋作が「自分自身」を掴み始めて、いよいよ晋作始動!といった感じです。奔放不羈な「晋作らしさ」に骨が徹り、磨きがかかります。自分探しの過程は、若いときに読むと特に共感できていいかもしれません。
 しかし私個人の名シーンは、刑死した松陰の遺体を小塚ッ原で桂小五郎ら門弟が引き取り、埋葬するシーンと、その小塚ッ原から世田谷の土地に、晋作が松陰の遺骨を移すシーンです。移骨のやり方がまた晋作らしいのですが、それよりも世田谷に移す前、松陰の眠る塚に向かって晋作が「先生、もうちょっとの辛抱じゃ。すぐに移してやるからのう」と語りかける場面は本当に胸が熱くなります。師が逝いた後までも・・何という美しい絆でしょうか。人間は、他人同士であっても心と心を、これほどまでに強固に、まさに血よりも濃く、美しく結び合わせることもできる存在なのだということに、感動せずにはいられません。
 師が受けた刑死の不名誉への悔しさ、師の正義を藩に、日本に断固認めさせるという晋作の一念と行動。あの暴れ馬で癇の強い晋作が、松陰に捧げる敬意と愛情のなんと深いこと!
 松陰の至誠がよき弟子を育み、その弟子たちが大国難にあった日本を支える人材となり、日本が最後まで独立を守り通したことを考えると、我々は松陰に大きな大きな恩を受けているということになります。
 いつか、必ず山口に挨拶に行きます(笑)!!
ともあれ、時代も晋作も大きく動く第2巻、お楽しみください!
 
お勧めできない一冊 ★★☆☆☆
第2巻は、桜田門外の変で井伊直弼が暗殺される、東北への遊歴、上海への出航、夷人殺害計画までを描いている。この時期に長州藩の高杉晋作から日本の高杉晋作に目覚めているのが印象的。高杉晋作の絶頂期を描くであろう第3巻へのつなぎであり、まだ物足りなさを感じてしまった。