類書の中でも特に濃い内容
★★★★★
童謡ブームのためか,タイトルに童謡がついた本が増えているが(2003年),たいていの本はすでにどこかで読んだ話だったりする。しかし,この本は新書ながらこれまでにない情報が盛りだくさんであり,切り口も斬新である。「夕焼小焼」が二次大戦の敗北を歌ったものである,という説にまじめにその間違いを正し,正確な内容を説明したかと思えば,「七里ヶ浜哀歌」では,よく聞く話の間を埋めるエピソードの紹介や,この事件を題材にした映画や小説を丹念に触れた後,「稲村ジェーン」の舞台でもあることにも言及しています。とにかく豊富な知識,洞察のエッセンスのような本です。童謡ファン必携の書ではないでしょうか。