割と親切に運指が書かれています。左右の手の割り振りはいくらか書いてはありますが、参考程度といった感じです。むしろ、バッハは装飾音が分かりづらいです(失礼)。
一方、全音版では音符の左右の手の割り振りと装飾音の演奏法が譜面に並べて書いてあり、とても助かりますが、運指がありません。
いいとこ取りという楽譜は存在しないようです。金に糸目をつけないのなら2冊買って、全音版に運指を書き込むということになります。
実際に演奏する際は結局各人の弾きやすい運指、手の振り分けを改めて考えることになります。ピアノ用に作った曲ではないので正解はありません。バッハの装飾を見て何の障害も感じないのならこちらの原典版、装飾を読むのが苦手だという方には全音版をおすすめする。

運指つきで日本語解説のある原典版となるとこの楽譜になります。校訂報告や演奏法など詳しく載っていますので、練習の参考になると思います。
この曲には２段チェンバロを前提にした演奏があるため、ピアノで単純に「上段＝右手、下段＝左手」で弾くと手が交差して絡まりそうになるため、左右への音符配置を再構築しなければならない場面もあります。この楽譜はそこまで考慮されておりませんので、演奏者が自分で左右への割り振りを考えねばならず、ちょっと大変だと思います。よって☆３つ。