アラスカに魅了され、動物写真家として19年間をアラスカの自然に捧げた星野道夫。その息をのむような美しい写真は多くのファンの心をとらえ、没後開催された巡回写真展では延べ45万人を動員している。活動中にも「アニマ」「週刊朝日」「SINRA」「ナショナル ジオグラフィック」など数多くの雑誌で作品を発表していた。
本書は、その未公開写真を中心に、約40点の写真を掲載したもの。神秘的なオーロラやアラスカに住む動物たち、凍りついた大地が、自然の雄大さや厳しさ、そしてそこで生きる生命の尊さを感じさせる。胸に迫る写真と文章からは、急逝した星野道夫のアラスカにかけた情熱が伝わってくる。(土井英司)
無窮かつ幻想的なアラスカと慈愛に満ちた動物達、そして心の澄みきった深遠な言葉の優れた写真文集
★★★★★
無窮で幻想的なアラスカのオーロラは我々の心を時空を越えてアラスカの地へ飛躍させ、未知なる視的(思的)体験を与えてくれます。慈愛に満ちた動物達の表情は何と大きな慈しみと静謐を心にもたらしてくれるのでしょう。そして、星野さんの心が澄んだ言葉達は、我々の心に深く染みわたります。心が洗われ、元気をもらえる素晴らしい写真文集です。
「冬をしっかり越さない限り、春をしっかり感じられない。それは、幸福と不幸のありかたに何処か似ている」
「過酷な冬の風景に魅かれるのは、自然という鏡に映し出された自分自身の生命の姿がはっきり見えてくるからだろう。それは日々の暮らしの中で忘れている、生きることの脆さであり、いとおしさでもある」
「自分の持ち時間が限られている事を本当に理解した時、それは生きる大きなパワーに転化する可能性を秘めていた」
「人の心は、深くて、そして不思議なほど浅いのだと思います。きっと、その浅さで人は生きてゆけるのでしょう」
オーロラの神秘
★★★★★
とにかくオーロラの写真が、とても美しいです。
昔からオーロラには興味がありテレビなどでも見たことがありますが、この星野さんが撮った写真ほど、こんなに美しくはっきりしたオーロラはこれまで見たことがありません。
そして星野さんが極寒のアラスカの中で、ご自分と向き合い、自分の内面と対話しているお話は、とても共感できるものがありました。
宇宙という神秘を感じることができる一冊です。
星野道夫への入り口
★★★★☆
小さいのにハードカバーでこのお値段?なんて斜に構えて図書館でページを開いた私でしたが、どっこい、パラパラめくるだけで癒されてしまいました。写真もですが、言葉がね。なんだか、朴訥なのに真摯で、断片的なのに、心を打つんです。文庫版も出ましたが、写真の大きさを考えると、やはりこちらがBetterかもしれません。
星野道夫さんは、写真も良いけれど、実は文章が何とも良い。そう思っている私にとっては、紹介する時に最初に勧めたい入門書のシリーズです。
これで気に入ったら、ぜひ次は「アラスカ光と風」をどうぞ!
ページをそっと開いたら・・・そこは
★★★★☆
アラスカの風景
著者が 感じるままにシャッターを押した 瞬間
凍てついた空と大地の その場所から
詩のような 言葉たちが
あなたにも きっと 届くはず
自然の偉大さ
★★★★☆
心が疲れた時なんとなくとった一冊。
ページをめくるたびに静かなる自然の偉大さと
星野さんの言葉に・・・
アラスカへ行ってオーロラが見たくなりました。