著者は、このことを踏まえたうえで、この上位20%に焦点を絞り込むことをすすめている。個人であれば、「自分の得意なこと」、組織であれば、「創造的な仕事」「利益を生む社員」などに絞り込むことで、飛躍的に成長できる。そのことを著者は、自らの体験や、他者の成功例とともに示している。官僚的な組織であるBBC(英国放送協会)でBBC・オンラインを大成功に導いたジェイミー・リーブのケース、著者が以前に務めていたBCGやベイン・アンド・カンパニーのケース、著者が救ったというファイロファクスのケースなど、刺激的なエピソードが豊富に盛り込まれている。
『チーズはどこへ消えた?』の門田美鈴が訳を務めていることもあり、文章は大変読みやすい。起業や能力開発のためのカンフル剤として、一読をおすすめしたい。(土井英司)