本が苦手なお子さんにどうですか?
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私がこの本に出会ったのは小学校高学年くらいだったと思います。
本を読むのは苦手ではありませんでしたが、大好きというわけでもありませんでした。
そんなとき母が買い与えてくれたこの本に出会いました。
引っ越してきたばかりの紅と了の前に突然謎の四人(?)が現れます。
金髪頭にドレスを着た太ったおばあさんのメリィさん、
乗馬ズボンにちゃんちゃんこを羽織ったちょっとなまりのあるおじさんゴフジョ、
しゃべるアホウドリのジュピに一昔前のエイリアンみたいなユリアン、
彼らは自分たちのことを「忘れられた者たち」と表現します。
個性的でどこか憎めないこの4人は勝手に紅たちの家に住み着いてしまいます。
子供向けではありますが大人でも十分楽しめます。
私は大人になった今でもたまにこの本を開くことがあるんですが
子供のときとはまた違った感じ方が出来る本です。
ですが大人になってから読むとちょっと切なくなるかもしれません。
小さかったころ私にもたくさん夢があってメリィさんやゴフジョたちのような
「忘れられたものたち」が見えていたのかなぁと思うことがあるんです。
私が読んだのはタケカワこうさんが絵を描かれたものなのですが
ファンタジーが好きなお子さんにはこちらの絵の方がいいような気がします。
柏葉幸子さんのお話では「霧のむこうのふしぎな町」が人気があるようですが
私はこの作品のほうが好きです。
忘れられない物語になるはずなのでぜひご一読を!
私のファンタジーの原点。
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11歳の時に読んだ一冊の本。すべては、この本から始まりました。
今でこそハリー・ポッター、指輪物語など有名な本を手に取るようになり
ファンタジーが大好きですが、
そういう本を読むようになったきっかけもこの本からでした。
何度も何度も読んだ、幼い頃のわくわくした感覚は
きっと一生忘れません。
多くの子どもと、「必要としている」大人達にだけ見える不思議な友達。
もし、自分の家の天井うらにこんな不思議な友人が
勝手に住み着いていたとしたら。
ひっそりあなたの夢を育てていたとしたら。
そんなことを考えてみるだけでワクワクしませんか?
柏葉さんの長編ファンタジーシリーズの中では
あまり人気ないのかもしれませんが、私はこの本が大好きです。
出逢った感動は一生忘れません。
すべての子どもと大人に贈ります。是非、多くの方に読んで欲しい一冊です。
どうぞ、新装版をきっかけに新たな魅力を見つけてみて下さいね。