感動をリレーしよう!
★★★★☆
子どもたちが、語り継がれてきた民話を読む機会が少なくなってきています。ベロ出しチョンマ、八郎etc
子どもたちに感動を語り継いでいきたい作品がいっぱいです。
妹思いの兄
★★★★★
小さな時に読んですごく悲しくなった覚えがあります。
自分が殺されるって時に妹の心配をするおにいちゃん。
涙なくしては読めません。
大人になってからは手塚治虫のブッタを読んだ時に
自分の体を狼に食べさせたアッサジがこのお兄ちゃんに似てると思いました。
自己犠牲とは違う。
もっと崇高なものを感じます。
斎藤隆介への認識が変わった
★★★☆☆
小学校の担任教師が斎藤隆介のファンであったこと,「モチモチの木」が子供の教科書に載っていることから買ってみた。読んでみて今までの斎藤隆介に対するイメージがかなり変わった。
その1:作者が東京渋谷の出身であった。根拠もなしに絶対東北出身だと思っていた。確かにあの独特の東北風の語り口はよそ者だからこそ生まれたのかも知れない。
その2:斎藤隆介が取り上げる主要なテーマは自己犠牲であるが,その背景となっているのは極度の貧困というかつては当たり前の環境に対して共同体を維持するために強いられた犠牲だということをあらためて感じた。
その3:性をテーマにした作品もあること。朝鮮の民話をベースにした話では「自分の母親の性衝動を子供が受け止める」ということが主題になっている。またエピローグでは醜いが根を張って生きた女性と自伝が交互織りあわされた作品が載っており,むせるような感情も呼び起こす。
小さな小さな感動
★★★★★
小さな作品が連なる短編集です。内容は大げさに言えば、人のため、世のための自己犠牲について、わかりやすく表現すれば、他人への思い遣りについて書かれています。扱っているテーマの割にはあっさりと読めてしまう作品です。私が始めてこの作品を知ったのは、もう30数年以上も前のことです。たしかその頃、この本は推薦児童図書であったと記憶しています。小学校三年生の時、担任の先生がホームルームの時間に表題にもなっている1つの短編「ベロ出しチョンマ」を朗読して下さいました。その時感動し、その後本を購入して全部読み通しました。そして、また思い出したようにこの作品を購入し読み返しました。
今読んでも新鮮で、当時の感動が蘇ってきます。「私が、私が・・・」といった自己主張の強いこのご時勢の中で、この本を読むと心が和みます。小学校中・高学年の児童にお勧めします。学校の先生、お母さん、お父さん、是非子供達にこの本を読んで聴かせてあげて下さい。さらに、この本の挿絵を担当しているのは、朝日新聞の日曜版のカラー挿絵で一世を風靡した切り絵画家の滝平二郎です。