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坊っちゃん (偕成社文庫)

価格: ¥756
カテゴリ: 単行本
ブランド: 偕成社
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それなりに読みやすい ★★★☆☆
学校で坊ちゃんを勉強してから数十年が経過した.
本屋で三国志の本を見ていると,本書が目にとまった.
本書を見て最初に驚いたのは,薄さ.
学校の授業だと,もっと薄っぺらかったが,興味なかった
ので,かなり分厚く見えた.
今手に取ると,目次や注釈をあわせても170ページほど.
改めて読直してみるかと思い購入した.

それなりに読みやすい文体になっているものの,
まだ読みにくさがある.
もっとも,私のような田舎ものにべらんめえ調子は
理解できないのでしょうけどね.

読終った感想・・・
坊ちゃんって,田舎そのものにもてあそばれたというか,
世間から肩すかしを食らわされたピエロにしか見えない.
もっと豪傑として,猪突猛進に生きるのかと思った.
ちょっと坊ちゃんに幻滅かな.
無鉄砲で損ばかりする男の話 ★★★★☆
「親譲りの無鉄砲で小供のときから損ばかりしている」江戸育ちの若者
が、片田舎の旧制中学の数学教師となり、そこでの生活を描いた話である。
本人も認めているように主人公は単純で、回りくどいことが嫌いで、筋が
通っていないことはもっと嫌いで、したたかな人間ほどいけ好かない奴は
いない、そんな性格である。もちろん誰からも好かれる性格ではない。
ただし、主人公の言動は嘘偽りがないから、見ていて(読んでいて)気持
ちがよいことは確かだ。もっと言えば清々しい。
片田舎の狭いコミュニティのなかで、周囲の目を気にしながら“うまく
立ち回って”生きていく人々が多く描かれる。よそ者の主人公は、そうし
たコミュニティに縛られていないからこそ、言いたいことを言いまくる。

個人的に一番好きなのは山嵐に対する主人公の評価がコロコロ変わってい
くところである。こいつは図体がでかいだけで大した知恵はないだとか
言葉を知らない奴だとか、山嵐をこき下ろしたと思ったら、次の段では、
なかなかの知恵者だとか、俺よりも利口みたいだから山嵐に従おうとかの
話になる。主人公の単純さや素直さが見事にでていてニヤリとする。
田舎が嫌いな江戸っ子の話 ★★☆☆☆
言わずとしれた名作(?)と評判の本書ですが、どうにも自分には合いませんでした。

特に自分の信念があるわけでもない若者が都会から田舎にやってきて
都会とは違って田舎はこういうところが駄目だ駄目だとぼやくだけです。
田舎の価値観に全くとけ込もうとせず最後には逃げ出すというのですから目も当てられません。

都会出身の人はその気持ちがわかるかも知れませんが、漱石の松山時代の恨みがこもった作品だと感じました。

文章は軽快で読みやすいとは思います。
あっけない終わり方だなぁ ★★★☆☆
 今度、四国旅行いくっつーんで、松山を舞台とした夏目漱石の代表作である、「坊っちゃん」を読んでみた。たぬきや赤シャツ、のだやうらなり、山嵐など特徴ある人物が多く登場する。まぁ、現代にも似たような人はたくさんいて、時代が変わっても人って変わらないなぁなんて思いつつ読んだ。

 夏目漱石は「こころ」「三四郎」と読んでおり、これら二つは悲しい恋物語であった。坊っちゃんは、恋とは無縁(?)の無鉄砲な若さあふれる男気のある男の話。読めば読むほど無鉄砲というか、後先を考えないというか、結構とんでもないヤツである。「こころ」を読んだときはとてつもない衝撃を受けたものだが、「坊っちゃん」はあっけない終わり方だなぁ
アンビバレント ★★★★★
「親譲りの無鉄砲で小供のときから損ばかりしている」という冒頭はご存知の方も多いでしょう。文豪の代表作ということで堅苦しい小説という先入観がありました。
しかし読み始めると、話の展開が早くて文章全体に勢いがあり、一気に読み通すことができました。そのストーリーは主人公「坊ちゃん」が悪役「赤シャツ」に一泡吹かせるというもの。その主人公もかなり無茶苦茶をやっており、正義のヒーローという感じではありません。そのため共感する人とそうでない人に分かれるようです。私は主人公の無鉄砲な行動に、共感と抵抗とを同時に感じました。相反する感情が共起したのはどうしてか。単純な完全懲悪モノに終わらず、考える材料を投げ返してくれた小説でした。