『Little House on the Prairie』―― 父さんが決心して、小さな丸太小屋を売り払い、一家はインディアン・テリトリーを目指して出発した。ウィスコンシン州からカンザス州へと長旅の末、父さんは大草原に小さな家を建てる。農家の暮らしはときに過酷で、危険ですらあったけれど、ローラと家族はいつも忙しく、大草原での新しい生活に夢を膨らませ、幸せな毎日を過ごしていた。
『Farmer Boy』―― ローラ・インガルスが大草原西部の小さな家で成長していたころ、アルマンゾ・ワイルダーはニューヨーク州の大農場で暮らしていた。兄や姉たちと一緒に、夜明けから夕飯まで、毎日のように農作業や家事に明け暮れる。雨が降っても日が照っても…。そんな中でも楽しいひとときは訪れる。一番の楽しみは、何よりも好きな馬と過ごす時間だった。
『On the Banks of Plum Creek』―― ローラ一家がミネソタ州で最初に住んだのは芝生づくりの家だったけれど、父さんは間もなく、プラムクリークのほとりに製材を使ってこぎれいな家を建てた。材木代は小麦畑の最初の収穫で支払う約束だ。あとは刈り入れを待つばかりだったある日、ぎらぎらと照り映える妙な雲が空に広がり、太陽を遮った。たちまち無数のイナゴが畑に舞い降り、農場の何もかもを覆い尽す。1週間後、小麦の穂は1束も残っていなかった。
『By the Shores of Silver Lake』―― 父さんは西を目指し、喧騒渦巻く未開の地、ダコタ領に向かう。後に、母さん、メアリー、ローラ、キャリー、そして赤ん坊のグレースが合流し、一家はデ・スメットという町の最初の移植者となった。父さんは町の建設に尽力し、じきにシルバー・レイクの岸辺に、真新しい町並みが建ち並んだ。
『The Long Winter』―― 10月、冬を告げるものすごい吹雪が枯れ果てた大草原にやってきた。そのまま雪になり翌年4月まで小止みなく降り続ける。積雪が屋根まで届き、列車も止まり、食料や石炭が届かなくなった。デ・スメットの町に飢えが広がる。ローラ一家も例外ではない。このひどい冬をどう乗り切ればいいものか…。何をすべきか、ようやく悟ったのは1人の青年、アルマンゾ・ワイルダーだった。町を救わねばならない。自分の命を投げ出しても。
『Little Town on the Prairie』―― 長い冬が終わった。春の訪れとともに、親睦会、パーティー、「文芸会」が催される。そして仕事も始まった。ローラは毎日何時間もシャツを縫い、メアリーを盲人大学に通わせるための学費を稼ぐ。それでも夜になると、訪ねてくるアルマンゾ・ワイルダーと過ごすひとときがあった。
『These Happy Golden Years』―― ローラは学校の教壇に立つ。身がすくむ体験だった。なにしろ生徒の大半は自分より背が高く、それに生まれて初めて家族と離れて暮らさなければならない。みじめな毎日だったけれど、メアリーを盲人大学に通わせるためにはお金が必要だった。そして金曜日ごとにアルマンゾ・ワイルダーが迎えにきてくれるので、週末を家族とわが家で過ごすことができた。ローラとアルマンゾは結婚を考えていた。まだ16歳にもなっていなかったけれど、新しい人生が始まろうとしていることを、ローラは感じとっていた。
『The First Four Years』―― ローラとアルマンゾは結婚したばかりだった。大草原のちっぽけな入植農場で、希望に満ちた新生活が始まる。けれど新しい年を迎えるたび、予想もしない災難が2人を襲った。嵐、病気、火事、借金…。この最初の4年間を支えたのは、勇気と、力と、決してくじけない意志の強さだった。でもいつも、そこには愛があった。とりわけ家族の新しい一員、赤ん坊のローズを中心に。