ローラ・インガルスという名の女の子…
…それは「リトル・ハウス」シリーズの著者、ローラ・インガルス・ワイルダーのこと。インガルス一家は、小さな丸太の家を売り払い、インディアンの住む西部へ向けて旅に出ることになりました。一家はウィスコンシン州からカンザス州へ入り、ついにパパは、カンザス州の大草原に小さな家を建てます。農場での生活は苦しく、危険な目にあうこともしばしば。でもローラとその家族はいっしょうけんめい働き、大草原での新たな生活を夢見て楽しく過ごします。
幌馬車で西部をめざしてきたローラ一家ですが、そこがインディアン居留区だとわかり、再び移動しなければならなくなりました。
1940~1954 ノータブル・チュルドレンズ・ブックス(ALA)
1976 ホーン・ブック・チュルドレンズ・クラシックス
意外と読める
★★★★★
大好きな作品なので、原書にもちょっと手を伸ばしてみようと思い、一番親しみのあるこの巻を購入。
高校英語の教科書で見慣れたサイズより文字が結構大きいので(少し太字な感じも)目が疲れず、読みやすい。
自分の英語力は胸を張れるほどのものではないが、辞書と首っ引き、というほどでもない。
しかし小説ということがあるので、一般的な教育課程ではまず出てこない固有名詞等は辞書の助けが必要だった。
文法はいたってシンプル、子供向けなだけはある(※けなしている訳ではなく)。単語さえわかれば中学生でも全然OKでは。
それまで長年翻訳で親しんでいたが、いざ原文を読んでみると、自分にとってニュアンスの違いを感じる箇所が結構あった。
原書にあたってみて良かったと思う(もちろん翻訳にケチをつけるものではない)。
機会があればシルバーレイクやプラムクリークも挑戦してみようと思う。
しかし決してよろしくない紙質と、洋書によく見られる製本のゴワっと感だけは何とかならないものだろうか。
向こうの人は「読めればいい」という実際的な考えなのだろうけど、ちょっと寂しい。
ちょっと重い
★★★☆☆
インディアン問題の件で、シリーズ中もっとも重い作品
だと思いました。
なので、素直には楽しめない点もある。
開拓者というのは、侵略者と見ることもできる。
インディアンに関しては、ローラの視点からは、このようにしか書けなかった
のだと思います。
この時代のインディアンに対する白人の一般的な見方が、
なんの飾り気もなく書かれてるだけによく分かる、という
歴史的観点からも、興味深い作品だと思います。
子どものころからひねくれてました
★★★☆☆
うわー、やっぱり皆さん満点を入れるんだなー。これはちょっと書くのに勇気が要る。
ってほどでもないか。この本も結構値の張る本だが、教育上よろしいと思ったらしい母親が全巻そろえてくれたんだけど、はっきり言って、それほど惹かれるものはなかった。貧しいけれど、善良で頼りがいのある父と優しく働き者の母親、可愛い子ども達の生活。退屈だと思った方はいらっしゃらないのだろーか。
あとねー、これは最近気づいた違和感の正体だが、「頼りがいのある父親」がいてなぜ貧しいのだろうかということだ。いや、世界の仕組みはわかってるよ。働けばそれだけ裕福になるってもんでもないことは百も承知だが、どうしても「好きな本」には入らなかった。
抗議の投票、覚悟してまーす。
ローラの眼は、自然界から身のまわりの社会へと
★★★★★
ウィスコンシン州からカンザス州への幌馬車の旅(これは、実に千キロ余、札幌から東京を過ぎ静岡あたりまでに相当する!)をする。プレイリーも平らな草原ばかりでなく谷山あれば川もあり、その川も、流れは激しく、泳ぎの上手な犬でさえ渡りきれず行方不明になることもある。小さな家を建て、ささやかな牧畜を始め畑も開墾する。狼の群れとその鳴き声に緊張をおぼえる。子どもたちもそうした生活の中から大自然との共生を学ぶ。インディアンの風習や権利をも考える。そう、そこはインディアン・テリトリー。父さんは、漂泊の情にも動かされ、インディアンの地から脱出することを決め北への旅に出る。
6〜7歳のローラの眼は、自然とのつきあいから、次第に身のまわりに展開する社会というものへと拡ってゆく。しかし、ローラ一家にとっては、インディアンをその地における先輩と見ることは考えるべくもなかった。それは、アメリカ西部開拓のその後の歴史を多少なりとも先取りしていたのかも知れない。
大人が読んでも勉強になります
★★★★★
お恥ずかしい話ですが、私は子どもの頃にこの作品を読んだことが
ありません。今読んでみてこれは大人でも凄く勉強になるし、楽しめる
本だと思いました。
ローラの一家は「大きな森」の家を出て、長い長い幌馬車でも旅を終え、
草原にたどり着きます。
そこでローラのとうさんは家を建て、井戸を掘り、少しずつ暮らしを
豊かにしていきます。
しかし、ここではインディアンの居住地でもありました。一家はインディアンに
怯えながらも、強く生きて行きます。
インディアンの歴史についても、この本では触れています。そういう意味でも
凄く勉強になる一冊でした。