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シルバー・レイクの岸辺で―インガルス一家の物語〈4〉 (福音館文庫 物語)

価格: ¥788
カテゴリ: 文庫
ブランド: 福音館書店
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まさに西部劇 ★★★★★
 今までの作品は自然の脅威は描かれてきましたが、ならず者の行き交う西部とは一線を引いた場所でローラは生活してきました(とうさんとかあさんに守られいたわけですが・・・)。

 でもローラも少し大人になりかけ、幼かった頃には見えなかった部分も、たくさん理解できるようになっています。そんな少女から大人への階段をあがり始めたローラの成長談です。とはいえ、まだまだお転婆なローラは健在。

 前作から数年のブランクがありますが、実際には一家はプラムクリークでの生活が成り立たず、せっかくとうさんが建てた家を手放さざるを得ませんでした。しかも、フレデリックという弟も生後1年ほどで亡くなってしまいます。生活に困った一家は、アイオワ州のバーオークという町でホテルを手伝っていたようです。中でも弟の死と、メアリイの失明は両親にとって衝撃だったらしく、ローラ自身も、後日「あの時からとうさんとかあさんは変わってしまった・・・」とコメントしている程です。
 
 ですから、はやり書き出しの部分の歯切れが悪いです・・・。ローラも書くのを戸惑い、作品の編集をしていたプロの作家のローズとの間で、書き出しについてかなりの確執があったようです。実際、子ども心にも「何か書くのをためらっている・・・。隠している」という感じはしました。

 ま、そんなことは余談であって作品の面白さとは何の関係もないのですが・・・。
 
でも、そういう裏事情を知ると、ローラがこの作品から急に大人っぽくなった理由も理解できます。弟の死と期待の長女の失明で打ちひしがれた両親、日々の食べるものにも困る生活。それらがローラを急速に成長させたのでしょうね。

 初読の際、前作からローラの変貌ぶりに戸惑いましたが、以上のような裏事情を知った時、はじめてその理由を理解できました。

 
驚いた ★★★★☆
プラム・クリークで満足な収穫が得られず、病気にまで襲われた一家が再び旅立って、ローラの両親のついの住処となるデ・スメットにたどり着くまでの物語です。西部劇風の荒くれた、ハラハラする場面なども出てきます。

このシリーズを全体を通して、唯一、ローラの母さんの考えが理解できないところがあります。母さんが、キャリーとその友達の女の子たちに勉強を教えることをローラに強要するところです。ローラは教員免状も持っていないどころか、自分さえまだ学校に行ってもいないのに・・・いったい母さんは何を考えていたのだろう?と驚きました。
フロンティア精神の息吹に触れ社会への眼が拡がる ★★★★★
荒らくれた流浪人や保安官は登場しないけれど、アメリカの西部開拓らしい雰囲気が高まる。プラム・クリークから西へ移動し落ち着くデ・スメット(現サウス・ダコタ州東部の街)は、農業開拓の最前線というだけでなく鉄道敷設の最前線に近い。鉄道工事の現場を経験し、越冬用に借りた測量技師の家は即興ホテルにもなる。父さんは、払い下げ農地の場所を確保し開拓の足場を固める。春になると、開拓民のラッシュが始まる。開拓小屋ができる。その近くにたまたま赤ん坊のグレイスが見つけたスミレ咲く窪地は、スミレの香りが漂う素晴らしい場所、続巻でもしばしば登場することとなる。

「大きな森」、プラム・クリーク、シルバー・レイクはほぼ同緯度なので、気候、自然などはとても類似している。ローラは12歳。フロンティア精神の息吹に触れ社会への眼が急速に拡がってゆく。娘時代のローラの物語は、ここシルバー・レイクを舞台に次巻以降に続いてゆくこととなる。
大きな悲しみの後で、人生の巻き返しを図る一家 ★★★★★
四冊目の、この作品の冒頭を読むのは、とても苦しいです。
作者本人もその部分を書きたがらず、旅立ちの場面から書き始めたそうです。しかし、作品の監修をしていた娘さんに、書かなければ読者は一家が旅に出る理由がわからない、と言われて、しかたなく書いたそうです。
メアリイが病気で失明します。しかも、熱を下げるために切られた髪も短いままです。
突然の訪問者がきっかけとなって、一家はまたもや引っ越します。
二作目で純然たる開拓者だったチャールズが鉄道工夫になる変貌振りには驚きましたが、そうでもしなければやっていけない状況だったのでしょう。

初めて乗った列車で、ローラがメアリイに、列車の速さを、電柱と電線が過ぎ去っていく速さで、説明するところが印象的です。
大人になるって、どういうことだろう。 ★★★★★
プラム川の農地で失敗し、借金を抱えた父さん。
忙しい母さん。失明したメアリー。幼い妹。

「私にできることはなんだろう」

この巻のローラは、常に自分に問うている気がしてなりません。
自分ではどうにもできない「辛さ」や「時代」と向き合うにはどうすればよいのか。
「大人になるって、こういうことだよ」

100年前のローラは、逃げずに考え、現代の子供達に教えてくれます。

他の巻同様、楽しいクリスマスの風景は健在です。
湯気をたてる牡蠣のスープにクラッカー。
ももの缶詰、真っ赤なクランベリーソースにこんがり焼けた野鳥・・・。

辛い時代だからこそ、小さな幸せが嬉しい。
そういうことなのかもしれません。