小学６年生の男の子と女の子たちが夕方の教室で竜退治の騎士に出会います。読み始めるとぐんぐん話しに引っ込まれていきます。トイレのスリッパをそろえる！　この発想が好き。これ。とても大事です。

優樹とぼくは、忘れたプリントを学校に取りに行った。そこで運命を変える人と出会う。教室で出会ったその人はジェラルドと名のり「おれは竜退治の騎士やねん」と関西弁でいった。登場人物は上記の３人です。この３人の会話が物語の中心。非常にテンポよく会話が進み、また内容も奥が深く面白い。「竜」とは何か、竜を退治するとはどういうことなのか、というのを考えながらいいんじゃなかろうか。非常に少ないページ数で、１ページあたりの文字数も少ないという限られた中で内容の濃い物語だったと思う。終わり方もよかったです。

久々の岡田先生の児童書ですが、やや短いので、６年生の少年と少女が人生の進路について考え始めた話・・という印象。放課後の学校で出会った、関西弁の自称「竜退治の騎士」がユニークですが。竜とは人の心のマイナス部分を象徴するそうです。

みんなが集まっている中で、ある条件がそろうと現れる竜。また竜を退治する選ばれた騎士。この竜退治の騎士になるには条件がある。
そんな竜と騎士とみんなのお話。

騎士になりたければ、まずトイレのスリッパをそろえましょう！！

　さすが岡田淳。ぐんぐんその世界に引き込まれる。語り口や間の取り方、淀みないストーリー展開に酔わされる。が、所詮小品。うまさと作品の完成度は比例しない。後半の種明かしは、特に余計だった感も。

　岡田淳先生の新作です。世はまさにファンタジーブームです。毎月のように、新しい勇者が登場し今日も誰かがどこかでドラゴンや悪い魔法使いやら何やらと戦っています。岡田淳作品のファンのあなたなら、この本のタイトルを見てちょっと感じるものがあるはずです。期待を裏切らない新作と言っておきましょう。