菊酒の香りふたたび
★★★★☆
小学生の頃この本に出会い、最近思い出してみつけることができました。私の記憶ではふつうのファンタジーだと思っていましたが、あらためて読むと人間の弱さや欲深さなども描かれていたんだとわかり、より面白かったです。
大人になった今でもハンカチの花畑とそれからできる菊酒の甘い香りがしてくるように思えるのです。
“人間の幸せ”を考えるお話し
★★★★★
美しい花やヴァイオリンを弾く人が描かれている表紙絵から、
どこか外国を舞台にしたお話かと思いきや・・・
戦争でまる焼けになり街中。たった一つ残った酒倉あてに一通の手紙が届く。
お酒をつくるところをだれにも見せちゃあいけない。
金もうけをしようとしちゃあいけない。
幸運のお酒「菊酒」に関わる二つの約束。
その約束をやぶると大変なことが起こる。
この設定には、日本の民話「つるの恩返し」や「夕鶴」が浮かんだ。
いろいろな局面で、さりげない教訓的なものを感じる。
ある意味“人間の幸せ”を考えるお話しともいえよう。
約束を守れずに「大変なこと」に次々と遭遇した主人公の郵便屋とその妻(元花やの娘)。
その体験を通して二人の間には、何かしら新しい絆が生まれたのでは・・・・。
読後、そんな余韻を残してくれる。
♪ 出ておいで 出ておいで
菊酒つくりの 小人さん・・・・
どこからか、この歌が聞こえてきそうだ。
生まれて初めてちゃんと読んだ長いお話
★★★★★
読書嫌いだった子供時代の私が、生まれて初めてちゃんと読んだ長いお話です。
ものすごくおもしろくて、するする読めました。
おまけに、何度も繰り返し、読みました。
ハンカチの上に、菊酒作りの小人さんが出てくるシーンに、どんなにわくわくしたことか。
あれから二十年以上たちますが、このお話のことは、ずっと忘れずにいました。
ふたたび読み返してみても、やっぱりおもしろい!
このお話をきっかけに、安房直子さんの本を読むようになり、どんどん他の方の本も読むようになりました。
今では、趣味→読書です。
ちょっとブラックなラストシーンも含め、完成度の高い作品だと思います。
ハンカチ、椅子、帽子
★★★★☆
安房氏の作品は身近なものが題材になり、色彩表現がゆたかなところが魅力です。この本では、ハンカチの上の花畑、空色のゆりいす、ライラック通りの帽子屋、の三話で構成されています。
文字が小さいことを除けば、小学校高学年くらいで充分楽しめると思います、大人になってから読むとまた違った発見があります。
本当にわくわくしました
★★★★★
子供のころに読みました。お花が咲く様子、お酒を作る様子、ハンカチの上の家族がとても楽しそうな様子、、、あれから自分のハンカチもお花畑にならないか、楽しい家族が住んでいないかと眺めました。幸せな気持ちを望むのは、今も昔も変わらないと思います。いつでもまた読み返したくなる本ですね。