ちいさな魔法
★★★★★
安房直子さんの短編集です。
「黄色いスカーフ」「あるジャム屋の話」「北風のわすれたハンカチ」
「日暮れの海の物語」「だれにも見えないベランダ」「小さい金の針」
「星のおはじき」「海からの電話」「天窓のある家」「海からの贈りもの」
「春の窓」「ゆきひらの話」の12作品が収録されています。
安房さんのお話は、日常に魔法をかけてくれます。
普段何気なく使っているもの、見ているものも、
安房さんにかかれば魔法の道具に変わるのです。
読み終わった後、日常を取り巻くものたちが
前よりもほんの少し輝いて見えるから不思議です。
ジャムの瓶に貼られたレッテル、壁に描かれた窓の絵、桜貝のくびかざり…
どれもうっとりするくらい美しい!
「北風のわすれたハンカチ」に描かれる、雪の歌が聞こえてくるような気がして
雪が降ると静かに耳を澄ましてしまいます