あの冒険家・植村直己氏が消息を絶ったデナリ峰(日本での通称はマッキンレー)の壮絶な大自然は、今も変わらずブリザードに荒れ狂い、ときには穏やかな顔を見せているのかと思うと……地球ってすごいなと感動しました。
こんな生死紙一重のノンフィクションは、生きて帰れたからこそ書けたのですね。
この物語を後世に残すために、神が味方したのだとしか思えません。
そのまま命を失った人の多さを思うと胸が詰まります。
読んだあとの余韻がいつまでも胸の奥に残っています。
また、過去に、日本人がこれ程の登山に参加しているとは本当に驚きである。いまだに、7大陸最高峰だとか、百名山だとか他人が決めた価値観だけでしか登山をなしえてない現状へ、ラディカルに問いかけるものがある。
登山を志す青年層には、必読の書であると思う。