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グランドジョラス北壁 (中公文庫BIBLIO)

価格: ¥780
カテゴリ: 文庫
ブランド: 中央公論新社
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極限の登攀、でも心温まる本です ★★★★★
アルプス三大北壁で最も技術的に困難とされるグランドジョラス北壁、しかも想定外の圧倒的な悪条件の中での登攀、そしてその後の指の切断という悲劇なのに、著者のパーティは明るさを失いません。人間の持つ強さに心を動かされます。
また、著者の責任者としての行動は責任ある立場の人間の理想像にも思えます。
登山に興味のない方にもお勧めの本です!
自らの全てを懸けるということ ★★★★☆
氷点下数十度の世界、ミスをすれば即墜死の状況下での挑戦がリアルに表現された作品だと思う。強靭な肉体と精神力だけではクリアできない。
信頼できる仲間、綿密な計画、危険回避のための準備など普段生活する上でも失敗しないために必要な内容を真剣に考えていることが分かった。生命を懸けているのだから当然なんだと思う。
グランドジョラス北壁への挑戦の始まりから終わりまでの気持ちの変化が良く伝わる文章で引き込まれるように読めました。
壮絶なものがたり ★★★★☆
冒頭にて、いきなり足の指全て10本切断する場面からこの本は始まっている。
普通に考えたら、それだけでクライミング人生が終わったと考えてよいのだが、この著者(小西 政継)が凄いのはそういった逆行を物ともせずに、引き続きクライミング人生に没頭していくこと。
クライミングや旅というのはある意味麻薬みたいなものであり、酔狂者の特権ともいうべき遊びなのかもしれない。
しかし、そんな著者もやはり登山を続けていてはまともに人生をまっとうできるはずもなく、短く激しく命を燃やし最後は山にて倒れてしまう。

登山家にしては文章が上手く、引き込まれるようにして読んでいった。
山を始めた人、これから山をやろうとしている人に、登山とは何かを教えてくれる良書。
生きるとは?生き残るとは? ★★★★☆
世界三大北壁のひとつグランドジョラス北壁ウォーカー稜冬期登攀の奇跡的な記録です。
この男たちは、フィジカルに格闘することでしか得られないものを渇望しながら生を感じています。その真の相手とは一体何なのでしょう?また登山/クライミングは一見シンプルなのに、時に人生に喩えられるほどに豊穣なものを内包している、その奥深さはどう表現したらよいのでしょう?彼ら自身にもうまく答えることは多分難しいと思います。
読中、このような極限状態では『一見ささやかな失敗』が大きな意味を持ってくることをひしひしと感じました。一旦失敗を犯せば、それはそのまま死へと直結します。死の恐怖の克服、絶望からの回避への希求。それらをどこまで強く心に留められるか。そして生還するには、何より冷静さが欠かせません。
死へこそ直結しませんが、社会で生きる我々もある種の生き残りをかけて日々戦っている部分があります。極限状態でなくとも得られるヒントは深く示唆的です。
凍傷との戦い ★★★★☆
 1971年に山と渓谷社から出た単行本の文庫化。
 1971年にグランドジョラス北壁の冬季登攀に挑んだ記録。
 死と隣り合わせの危険な体験が、迫力ある文章で綴られた名登山記。想像以上に困難な岩壁、突然の猛吹雪、凍傷の恐怖など、次々と困難が襲いかかってくる。一歩、足を踏み外せば自身と仲間の命はない。そこで試されるのが人間の精神力の限界である。
 引き込まれるように読み切ってしまった。
 次代の登山家のための「北壁ノート」なども併録されている。