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新装版 軍師二人 (講談社文庫)

価格: ¥770
カテゴリ: 文庫
ブランド: 講談社
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司馬遼太郎 ★★★★★
さんの描く主人公には2つのタイプが多い。一つは、因習、迷信、惰性に縛られる大多数の人間の中に突き抜けた合理性でそこから飛躍するタイプ。「竜馬が行く」や「国取り物語」の信長や「歳月」の江藤新平「花神」の大村益次郎がこれに当たる。そして全員ろくな死に方をしない。もう一方には時勢の流れに徹底的な自己の美学や価値観の貫徹で対抗するもの。強烈な自己を背景にした個人主義でこれまたある意味突き抜けた(理想的)近代人。「燃えよ剣」の土方や「戦雲の夢」の長宗我部盛親、「尻喰らえ孫一」もそのパターンでこれまたろくな死に方をしない。実際それらの人が本当にそうだったかには疑問があるが兎に角、司馬さんはこの様な形で理想的近代人を描き、大概の場合非業の死を迎えることで何百年経とうが一向にこれらのタイプをマイノリティにしてしまう私を含めた一般日本人大衆の気質に強烈なアイロニーを突きつける。多分ご自身の陸軍・戦争体験がそこに宿っているのだろうけど。
 「軍師二人」はまさに後者のパターン。ただ己の才能を存分に表現し自己の生き様を自己の思う形で終焉させることが動機の二つの「個人」の激突。見方によってはこの二人が西軍敗北の原因なのだがとばっちりを食らう周囲の人間に対する司馬氏の視線は恐ろしく冷酷、なんのフォローもありゃしない。でもこれが司馬流。なのでここでこの2人の主役に対置される人間は淀の方でも大野治長でもなく秀頼だと思います。
女は遊べ男は働け ★★★★☆
表題と後ろの解説から、「軍師二人」が半分くらいと思い、
後藤基次と真田幸村の話がゆっくり見れるぞーと思ったら、
なんと短編八本の内の一つで、かなり分量少なかったです。
まあでも、おもしろかったですけど。以下それぞれの一言感想。

・雑賀の舟鉄砲
戦国時代でも別に英雄ばかりじゃないよな〜というお話。
最後、鶴はどこ行ったんだろう。

・女は遊べ物語
戦国時代のリーマン悲哀劇、みたいなノリだ。

・嬖女守り
どっかで見たと思ったらこのエピソードか。
関ヶ原のかわいそうな武将のお話。

・雨おんな
ちょっと世にも奇妙な的お話やね。不思議な感じ。

・一夜官女
大坂の陣西軍武将の1エピソード。

・侍大将の胸毛
何の話と思ったら、司馬作品で何度も見る西軍の藤堂軍敗走の時、
責めることを主張した武将の話。戦国時代とかを重点的に読んでいくと、
こうやって同じエピソードを別視点から見れるのが楽しいな。

・割って、城を
短編集『人斬り以蔵」に載っていたのと同じもの。
読み返したがやはり面白い。司馬遼太郎の古田織部&茶道観。
利休の作品も書いてほしかったなあ。

・軍師二人
基本的に「城塞」の話と大きく外れたところはなく、
西軍のちぐはぐな軍議をメインにした話。
100+100は=200どころか100以下になってしまうこともあるという話。

短編集は細切れの時間にサクサク読めるからいいなあ。
どれも面白い ★★★★★
戦国時代を中心にした歴史短編集です。

関ヶ原前後から大阪夏の陣まで
短編で周囲の人物を描くことによって
全体の時代の雰囲気が浮かび上がるように
感じました。

今回のテーマは、戦に強い男は
女にも強いということなのでしょうか。
どの作品も面白いですが、
特に渡辺勘兵衛を取り上げた話がよかったです。
うっかり一冊が軍師二人なのかと早とちりしたが ★★★★★
幸村や後藤又兵衛関連の話を読みたくて、うっかり「軍師二人」という話だけの作品と思って買って、短編の一つだと分かってちょっと早とちりしたのですが、
読んでみると他の話もおもしろく、雑賀衆の話や関ヶ原の時のある男女の話など、戦国のたくましい女性をめぐる短編が意外と楽しめる作品で満足でした。
面白いっていうのは ★★★★☆
最低の誉め言葉なので使いたくないんですが。
長編をいくつも書いて調べ物をしていくと、盛り込めなかったエピソードとか後でわかったこととか出てきてしまうんでしょうね。それを短編にしました、みたいな短編集です。それぞれ何を書いている時のだろうと考えながら読むのがよろしい。

司馬さんはやっぱり家康は嫌いだったんでしょうか。